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脳腫瘍について

神経膠腫(グリオーマ)

脳と脊髄には神経細胞と神経線維以外に、それらを支持する神経膠細胞があり、この神経膠細胞から発生する腫瘍を総称して神経膠腫(グリオーマ)といいます。

神経膠腫には星細胞腫、乏突起神経膠腫、上衣腫などの種類があり脳から発生する腫瘍のおよそ25%を占めていて、臨床的にはすべて悪性脳腫瘍に分類されます。腫瘍細胞が脳に染み込むように広がり(浸潤性発育)、手術で取り切れないことが多いからです。さらに病理診断上は悪性度に応じてグレードが4つにわかれていています。グレード1(毛様細胞性星細胞腫)やグレード2(星細胞腫や乏突起神経膠腫など)に比べて、グレード3(退形成星細胞腫や退形成乏突起神経膠腫など)やグレード4(膠芽腫)は悪性度が高く、グレード3とグレード4のものを悪性神経膠腫と総称します。とくに悪性神経膠腫は通常画像で見える範囲よりはるかに広い範囲に早期から腫瘍細胞が進展しています。(詳細はこちら

中枢神経系原発悪性リンパ腫

中枢神経系原発悪性リンパ腫(primary central nervous system lymphoma; PCNSL)は、リンパ節ではなく中枢神経(≒脳)に発生する悪性リンパ腫です。

病理診断はびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(diffuse large B-cell type)であることが多く、臨床的には中悪性度に分類されますが、他の(≒脳以外で発生する)びまん性大細胞型B細胞リンパ腫とは異なり、CHOP療法が無効であることから独立した疾患として分類されています。

主な症状としては、精神症状(40%)や頭蓋内圧亢進症状(33%)が多く、痙攣発作(14%)、眼症状(4%)も認めます。(詳細はこちら

髄膜腫

髄膜腫は最も頻度の高い脳腫瘍であり、良性脳腫瘍に分類されます。無症状であることも多く、脳ドック検査などで偶然発見される脳腫瘍は、その半数が髄膜腫であるといわれています。(詳細はこちら

転移性脳腫瘍

体のがんが脳に転移したものを転移性脳腫瘍といいます。転移性脳腫瘍は脳腫瘍全体の17.4%を占めるとされていますが、近年MRIが頻回に撮影されるようになったこと、高齢者層が増えていることなどから、実際にはもっと多いと思われます。事実米国などでは40%という報告もあります。

脳転移をきたしやすいがんとしては、肺がん(60%)、消化器系がん(15.7%)、乳がん(10.6%)、腎泌尿器系(6.4%)などがあります。 転移巣の多くは大脳にあり、小脳への転移は15%程度です。

転移性脳腫瘍に対する治療は、もともとのがん(原発巣)がどういう状況かということでも方針が異なるので、一般的な方針を示すのは困難です。つまり、転移性脳腫瘍は原発巣の進展状況や治療への感受性も考慮しながら治療法を選択しなければなりません。したがって、以下の治療方針はあくまで原則とお考えください。個別の治療については外来等で詳しくご説明いたします。(詳細はこちら

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