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造血器腫瘍の新たな治療戦略に向けた取り組み

学友会セミナー

開催情報

開催日時 2025 年 9 月 30日(火)17:00 ~ 18:00
開催場所 ZOOMによるオンライン開催
講師 安藤 匠平
所属・職名 東京大学医科学研究所附属病院血液腫瘍内科・医員
演題 造血器腫瘍の新たな治療戦略に向けた取り組み
世話人 〇主たる世話人:朴 成和(腫瘍・総合内科)
世話人:長村 登紀子(附属病院検査部)
備考 (ZOOM URL)
https://u-tokyo-ac-jp.zoom.us/j/84821201184?pwd=VTRgjdzxHBXZhvTlhB5BJoXWqCradA.1

概要

骨髄異形成症候群(MDS)は、造血細胞のクローン性増殖と細胞死の増加を特徴とし、急性骨髄性白血病(AML)に進行して致死的となる。インフラマソームは病原体関連分子パターン(PAMPs)や損傷関連分子パターン(DAMPs)を感知し炎症反応を誘発するタンパク質複合体であり、MDSの進行に伴い活性化されることが報告されている。インフラマソームの形成には各種センサータンパク質とCaspase-1を連結するアダプターとして機能するAscが必須である。RUNX1S291fsとCBLΔE8/9の共発現によるMDS モデルマウスにおいてAscを欠損させると生存が有意に延長したことから、インフラマソームの阻害は新たな治療標的となる可能性がある。本セミナーでは、インフラマソームとMDSについての最近の話題も含めて提供したい。
また、MDSやAMLの根治を目指す手段として造血幹細胞移植がある。当院ではこれまで、移植前処置のAraCに顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)を組み合わせることで(G-combined AraC)、治療効果が増強されることを報告してきた。特に臍帯血移植におけるG-combined AraCを含めた前処置において、予後の層別化に向けた取り組みを行ったので併せて紹介したい。