肥大型心筋症は最も頻度の高い遺伝性心疾患であり、200人から500人に1人が罹患する。肥大型心筋症は若年者、特に若年アスリートにおける突然死の最も多い原因でもある。一方、もし突然死を予測することができれば、事前に除細動器を植え込んでおくことによって突然死を未然に防ぐことができる。しかしながら、臨床・画像データのみを用いた現在の突然死予測モデルの精度はあまり高くない。こういった現状を踏まえて、当研究室では血液のプロテオミクス解析を行うことによって肥大型心筋症患者における突然死の予測精度の向上に取り組んでいる。最先端のプロテオミクス解析技術を用いると、50マイクロリットル程度の血液で7000種類以上のタンパク質の濃度を測定できる。今回は最新の研究成果をご紹介するとともに、プロテオミクス解析をどのように病態生理の解明に繋げることができるかについても議論を深めたい。
プロテオミクス解析を用いた肥大型心筋症の予後予測と病態生理の解明
学友会セミナー
開催情報
開催日時 | 2023年3月17日(金)10:00~11:00 |
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開催場所 | 1号館講堂 |
講師 | 島田 悠一 |
所属・職名 | コロンビア大学 医学部循環器内科 助教授 |
国名 | JAPAN |
演題 | プロテオミクス解析を用いた肥大型心筋症の予後予測と病態生理の解明 |
使用言語 | JAPAN |
世話人 | 主たる世話人:中西 真(癌防御シグナル分野) 世話人:古川 洋一(臨床ゲノム腫瘍学分野) |