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胎児発育不全に起因する神経発達障害に対する間葉系幹細胞を用いた予防法開発

学友会セミナー

開催情報

開催日時 2023年2月7日(火)17:00~18:00
開催場所 オンライン開催 https://u-tokyo-ac-jp.zoom.us/j/89493444739?pwd=WW9YL0pWSWU2Ymk3ZWNySC9iTFVqZz09 ミーティングID: 894 9344 4739、パスコード: 017456
講師 辻 雅弘 博士
所属・職名 京都女子大学 家政学部 食物栄養学科 教授
国名 JAPAN
演題 胎児発育不全に起因する神経発達障害に対する間葉系幹細胞を用いた予防法開発
使用言語 JAPAN
世話人 主たる世話人:長村登紀子(体性幹細胞研究分野・セルプロセッシング・輸血部)
世話人:横山和明(血液腫瘍内科)

 
 

概要

本邦では全出生数に占める低出生体重児(2,500g未満)の割合がほぼ10%と先進国で最も高率である。低出生体重児は注意欠如多動性障害(ADHD)や自閉症スペクトラム障害(ASD)などの神経発達障害をきたす可能性が高いが、その発症機序は不明で予防法は存在しない。低出生体重となる二大要因は胎児発育不全と早産であり、いずれも子宮内感染・炎症と胎盤機能不全(≒血流減少)が主要原因と考えられている。ADHD・ASDの発症に母体炎症や児の脳内炎症が関与しているとの報告が最近なされている。そこで我々は、免疫調整能・炎症抑制作用を有する臍帯由来間葉系幹細胞細胞(UC-MSC)を生後早期に投与することによってADHD・ASDの発症を予防できるのではないかとの仮説を立てた。我々は子宮内血流低下による低出生体重仔モデルラットを開発しており、このモデル動物に対して生後1日齢でUC-MSC(東京大学医科学研究所附属病院 セルプロセッシング・輸血部 長村登紀子准教授 提供)1x105個を静脈内投与した。同細胞投与によって、部分的に社会性の改善が認められ、電気生理学的評価においてニューロンの興奮性が軽減していることが認められた。