がんを中心とした様々な疾患に関わるゲノム異常の研究
学友会セミナー
開催情報
開催日時 | 2020年11月12日(木)10:00~11:00 |
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開催場所 | ZoomによるWEB開催 聴講希望者は井元(imoto@ims.u-tokyo.ac.jp)まで連絡 |
講師 | 髙橋 数冴 |
所属・職名 | 京都大学大学院農学研究科応用生物科学専攻・博士課程 |
国名 | Japan |
演題 | がんを中心とした様々な疾患に関わるゲノム異常の研究 |
世話人 | 主たる世話人:井元 清哉(健康医療インテリジェンス分野) 世話人:柴田 龍弘(ゲノム医科学分野) |
概要
ゲノムに起こる変異や構造異常は種分化を引き起こし生物の進化を駆動している一方で、細胞の機能に異常を引き起こすことから様々な疾患の原因ともなっている。次世代シークエンサーの登場以降、急激な勢いでゲノム情報が蓄積され、こうした異常の発生機構や疾患発症への関与が明らかになってきている。本セミナーでは、これまで行ってきた研究として(1)半世紀以上前から体細胞で観察されていた染色体外環状染色体(extrachromosomal circular DNA)がヒトゲノムにおける重複の発生に関わっていること、(2)がんにおいて重要なゲノム異常であるヘテロ接合性の喪失(LOH)に遺伝子変換(gene conversion)が寄与していること、(3)がんの発症に低頻度な生殖細胞系列変異の総数が関わっており、変異率の違いを生むミューテーター(mutator)形質が発がんに関わっている可能性、について紹介し、最後に今後行われる大規模な全ゲノムシークエンスデータにおける展望について考察したい。