The Fanconi anemia / BRCA pathway in human cancer
学友会セミナー
学友会セミナー
2003年開催 学友会セミナー
開催日時: | 平成15年9月24日(水)17:00 ~18:30 |
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開催場所: | 合同ラボ棟、2階会議室 |
講 師: | 谷口 俊恭 先生 |
所 属: | ダナ・ファーバー癌研究所 |
演 題: | The Fanconi anemia / BRCA pathway in human cancer |
概 要: | 近年、家族性乳癌卵巣癌原因遺伝子BRCA1、BRCA2とFanconi貧血(Fanconi anemia, FA)遺伝子の関連が明らかになり、 FA/BRCA pathwayという概念が提唱され注目を集めている。FAは高発癌、小児期発症の再生不良性貧血、 DNA架橋剤(マイトマイシンC、シスプラチンなど)に対する高感受性を特徴とする常染色体劣性遺伝疾患である。 8つの相補群の原因遺伝子(FANCA、FANCC、FANCD1/BRCA2、FANCD2、FANCE、FANCF、FANCG/ XRCC9、FANCL)が同定されている。 FANCA、C、E、F、G、L蛋白は核内で複合体 (FA complex)を形成する。FA complex依存性およびBRCA1依存性にFANCD2蛋白がモノユビキチン化され、核内fociを形成しBRCA1と局在することが pathwayの機能に必須である。FANCD1はBRCA2そのものである。また、FANCD2はATM、NBS1、MRE11など様々な染色体不安定症候群、高発癌症候群の原因蛋白とも相互作用することが明らかになりつつある。さらに最近、FA/BRCA pathwayの異常がヒト腫瘍において相次いで同定され、また腫瘍のシスプラチン感受性を規定する因子の一つであることも判明した。 今回のセミナーでは、FA/BRCA pathwayのヒト腫瘍における異常、特に卵巣癌におけるFANCF遺伝子のメチル化による不活化など、最近のトピックをお話したい。 <参考文献> 1. Molecular Cell, 2001;7:249-262 2. Cell, 2002;109:459-472 3. Science, 2002; 297:606-609 4. Nature Medicine, 2003; 9: 568-574 |
世 話 人: | ○山下 孝之、井ノ上 逸朗 |