細胞間結合を形作る蛋白分子間相互作用
学友会セミナー
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2004年開催 学友会セミナー

開催日時: | 平成16年4月14日(水) 17:00~18:00 |
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開催場所: | 合同ラボ棟2階 会議室 |
講 師: | 畑 裕 先生 |
所 属: | 東京医科歯科大学・大学院・病態代謝解析学 |
演 題: | 細胞間結合を形作る蛋白分子間相互作用 |
概 要: | 多細胞生物に見られる多様な細胞間結合は、接着と情報伝達の場として機能している。細胞間結合の分子構成は大きく、接着分子・受容体・チャネルなどの膜蛋白質と細胞骨格、および、両者をつなぐ裏打ち蛋白質に分けられる。これらの分子群が、一定の秩序に基づいて集積し、さらには、細胞内外からの刺激により動的に変動することにより、接着と情報伝達2つの機能が担われ、生物個体の維持が可能となる。細胞間結合の分子構築の破綻は、上皮細胞においては細胞極性・増殖制御の異常につながり癌化をもたらし、脳においてはマクロレベルの変化を伴わない精神神経疾患に関連すると想定される。私たちは、主に中枢神経の興奮性シナプスの裏打ち構造の分子構築の解析を行ってきた。一見複雑な神経シナプスも、個々の構成分子間の相互作用の総和として捉えられるとする立場から、私たちは、シナプスを支える分子間相互作用の解析を積み上げることを通じて、シナプスの成り立ちを理解しようとしている。また、その過程で、シナプスと上皮細胞間結合の分子構築の共通性にも興味をもち、両者を対比して研究を進めている。今回の発表では、私たちの研究の基本的な枠組みを紹介することを第一とし、各論的にはシナプスと上皮細胞のタイトジャンクションの裏打ち蛋白質を取り上げる。 |
世 話 人: | 西中村隆一、○渡邊すみ子 |
