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眼免疫疾患とトランスレーショナルリサーチ

学友会セミナー

学友会セミナー:2008年10月20日

開催日時: 2008年10月20日 16:00~17:00
開催場所: 合同ラボ棟2階会議室
講師: 臼井 嘉彦 博士
所属: 東京医科大学・眼科学教室
演題: 眼免疫疾患とトランスレーショナルリサーチ
概要:

基礎医学の成果を臨床医学に結びづけながら研究をすることは、臨床医学を理論的に体系づけて発展させるために極めて大切なことです。しかも日常臨床では基礎研究の成果を直接臨床に組み込むことは不可能であり、臨床医と研究者の間には益々隔たりが出来るのが現状です。また、臨床医も教科書で説明できない病態に遭遇したときには最新の基礎医学から何か説明が出来る成果があるのではないかと暗中模索します。
例えば、眼内悪性リンパ腫は視力低下をきたすばかりでなく生命予後に関わる疾患ですが、細胞診で腫瘍細胞を同定しにくく、遺伝子再構成も検出しにくく、治療が遅れることがよくありました。しかし、リンパ腫が産生する眼内液のIL-10検出により診断の感度・特異度とも高くなり、日常診療に役立っています。今回の講演は、眼科領域における代表である自己免疫性のぶどう膜炎やヘルペス性ぶどう膜炎、眼内悪性リンパ腫、網膜芽細胞腫やぶどう膜悪性黒色腫における基礎医学との結び付きをお話し、今後の展望についても話していきたい。

世話人: ○渡辺 すみ子、中内 啓光