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RNAプロセシング異常に起因する疾患「RNA病」

学友会セミナー

学友会セミナー:2019年10月28日

開催日時: 2019年10月28日 16:00 ~ 17:00
開催場所: 2号館 小講義室
講師: 片岡 直行
所属: 東京大学大学院農学生命科学研究科 応用動物科学専攻 
細胞生化学研究室 准教授
演題: RNAプロセシング異常に起因する疾患「RNA病」
—その原因解明と治療への挑戦—
概要:

高等真核生物では、ゲノムDNA上の遺伝情報が、タンパク質として発現するまでに様々な過程が存在する。ゲノムDNAから転写されてできたmRNA前駆体は、核内で様々なプロセシングを受けて成熟mRNAとなった後、核から細胞質へと輸送され、タンパク質合成の鋳型として機能する。これらの過程はRNAプロセシングと呼ばれ、遺伝子発現に必須な過程である。このうちのイントロンを除去し、エクソンを連結する反応、mRNAスプライシングは、精巧かつ複雑な調節を行うことの出来る過程であるが、精巧であるが故に、この過程に異常をきたすことで疾患が引き起こされる例が数多く報告されている。
最近、このようなRNAおよびRNAプロセシング異常に起因する疾患は「RNA病 (RNA diseases)」と総称され、その解析が急速に進んでいる。本セミナーでは、mRNAスプライシングの機構と、その異常によって引き起こされるRNA病の幾つかを取り上げ、その原因となる異常スプライシング機構の解明と治療に向けた戦略について解説する。

世話人: 〇中井 謙太 (機能解析イン・シリコ分野)
 高橋 理貴 (RNA医科学 社会連携研究部門)