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ポスドクを始めて現在に至るまでの軌跡;アメリカの研究大学の仕組み

学友会セミナー

学友会セミナー:2019年10月10日

開催日時: 2019年10月10日 16:00~17:30
開催場所: 病院8階(北)大会議室
講師: 泉屋 吉宏
所属: カリフォルニア大学デイビス校医学部・教授
演題: ポスドクを始めて現在に至るまでの軌跡;アメリカの研究大学の仕組み
概要:

自分は日本の研究者の方々の研究を大変尊敬しております。離れた土地から同じような仕事をしつつ日本を見たときに、その独創的な仕事や限られた研究費を用いてレベルの高い研究を行うシステムには感動を覚えますし、日本人であることに常に誇りを感じています。それと同時に、その原動力となっている 先生方の苦労は如何程なのかとも感じます。それを見ながら日々研究されている大学院生、ポスドクの方々は、それなりに将来に不安をお持ちなのでは無いでしょうか。
アメリカの大学の教授には数多くの中国人、台湾人、インドからの研究者がいらっしゃいます。研究のレベルの高さやノーベル賞の数を考えると、もう少し日本人の先生がいても良いのかなと常に感じております。実際にアメリカの大学では日本人のポスドクは優秀だから来て欲しいと考えている研究室が殆どです。民度の高さ、仕事の繊細さ、生真面目さがその理由です。それが理由で日本人は少し損をしている様にも感じます。
この度は皆様と同じように日本で博士を頂いて、 自分の様な人間がどの様にして現在の職まで至ったかをお話することで、 海外にもチャンスが転がっていることや、こちらで独り立ちする場合の少しばかりの注意事項を 知って頂きたいと思います。アメリカでの仕事内容、こちらの研究大学の仕組み、NIH研究費審査のあり方、給与体系、大学でのSearch Committeeの実情、テニュアトラックの実際に意味することなどを自分の経験を踏まえながらご紹介したいと思います。高く見える敷居も、実際はそれ程でも無いことを紹介できればと思います。
最後に自分の研究室で行っているカポジ肉腫ヘルペスウイルスのmini-chromatinを利用した遺伝子転写の研究紹介と、どの辺りが他のヘルペスの研究者と違って現在のNIH R01sの研究費に繋がっているのか、また違わせようとしているのかをご紹介できればと思います。

世話人: 〇川口 寧 (ウイルス病態制御分野)
 河岡 義裕 (ウイルス感染分野)