Regulation of hematopoietic stem cells by programmed cell death
学友会セミナー:2019年02月04日
開催日時: | 2019年02月04日 17:00 ~ 18:00 |
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開催場所: | 1号館2階2-3 会議室 |
講師: | 山下 真幸 |
所属: | Postdoctoral Research Scientist, Columbia Stem Cell Initiative, Department of Genetics and Development, Columbia University Irving Medical Center, New York, New York, USA |
演題: | Regulation of hematopoietic stem cells by programmed cell death
プログラム細胞死による造血幹細胞の制御 |
概要: | ヒトやマウスなどの成体哺乳動物において、すべての血球細胞(白血球、赤血球および血小板)は骨髄にごく少数存在する造血幹細胞によって供給・維持され、造血幹細胞の量及び質を維持することは血液の恒常性を維持する上で極めて重要である。とりわけ、近年のゲノムシークエンス技術の発達により、造血幹細胞レベルでのゲノム異常が個体老化とともに蓄積し、クローン造血、ひいては骨髄異形成症候群や白血病などの各種造血器疾患を引き起こすことが示唆されているが、造血幹細胞レベルで変異が蓄積するメカニズムはほとんど解明されていない。アポトーシスをはじめとするプログラム細胞死は変異をもった細胞を除去しがん化を防ぐ細胞応答として知られ、細胞集団の質を維持するメカニズムとして働く。筆者は内因性アポトーシス経路に着目してマウス造血幹細胞を用いた一連の研究を行い、DNA損傷時にはp53を介した内因性アポトーシス経路が造血幹細胞で特に強く活性化し、重度のDNA損傷を負った細胞が除去されることによって造血幹細胞プールの質が維持され、造血器腫瘍の発症を防止することを明らかにしてきた。
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世話人: | 〇真鍋 俊也 (神経ネットワーク分野)
岩間 厚志 (幹細胞分子医学分野) |