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iPS細胞を用いたヒト肝臓の再構成と再生医療への応用

学友会セミナー

学友会セミナー:2018年12月25日

開催日時: 2018年12月25日 14:00 ~ 15:00
開催場所: 2号館2階 小講義室
講師: 上野 康晴
所属: 横浜市立大学大学院医学研究科・特任助教
演題: iPS細胞を用いたヒト肝臓の再構成と再生医療への応用
概要:

肝不全は致死的な病態であり、肝臓移植のみが唯一の救命手段である。しかしながら、世界的にドナー臓器の不足は明らかであり、iPS細胞から治療用のヒト臓器を人為的に創出するための技術開発が極めて重要な解決課題となっている。
発表者らは、これまでに器官発生プロセスを模倣することにより、iPS細胞を用いてヒト肝臓原基(肝芽)の創出を可能とする、革新的な三次元培養技術を確立してきた(Nature, 2013, Nature Protocols, 2014, Cell Stem Cell, 2015, Nature, 2017)。すなわち、ヒト肝前駆細胞・血管内皮細胞・間葉系細胞の共培養により、三次元構造を有するヒト肝臓原基を人為的に再構成できることを明らかにしている。現在、ヒトiPS細胞由来肝芽の大量調製・品質評価・移植操作技術の開発を推進中である(Cell Report, 2017)。
本セミナーでは、これまでに取り組んできたヒトiPS細胞由来肝芽を用いた尿素サイクル異常症、および、肝硬変に対する治療法開発について紹介する。また、B型肝炎ウイルスへの感染耐性を示すヒトiPS細胞肝芽を用いた新規B型肝炎治療法の開発についても紹介する。

世話人: 〇真鍋 俊也 (神経ネットワーク分野)
 谷口 英樹 (再生医学分野)