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2型自然リンパ球が関与する多様な疾患 

学友会セミナー

学友会セミナー:2018年06月26日

開催日時: 2018年06月26日 16:00 ~ 17:00
開催場所: 総合研究棟4階会議室
講師: 茂呂 和世
所属: 理化学研究所生命医科学研究センター自然免疫システム研究チーム・チームリーダー
演題: 2型自然リンパ球が関与する多様な疾患 
概要:

抗原特異的な受容体を発現し獲得免疫で働くT細胞、B細胞に対し、抗原受容体を持たず自然免疫で働くリンパ球をInnate lymphoid cells (ILC)と呼ぶことが定着してきた。3つのサブセットに分類されるILCの中でもILC2は、寄生虫感染やアレルギー性疾患で発現するIL-25やIL-33によって活性化し、IL-5やIL-13などの2型サイトカインを産生することで寄生虫感染に対して急速な防御反応を示し、一方でアレルギー症状を悪化させる原因細胞となることが明らかになっている。ILC2は当初周囲環境のサイトカインによって活性化すると考えられてきたが、近年ILC2がサイトカインだけでなく脂質や神経ペプチドによっても活性化することが明らかになったことから、多様な2型免疫疾患においてILC2の病態形成への関わりが注目されている。本講演では、ILC2関する基礎的な話から、疾患への関わり、最新の知見までわかりやすく紹介する。

世話人: 〇植松 智 (自然免疫制御分野)
 清野 宏 (粘膜免疫学部門)