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MDSの遺伝学的基盤について

学友会セミナー

学友会セミナー:2018年03月27日

開催日時: 2018年03月27日 16:00 ~ 17:00
開催場所: 2号館2階大講義室
講師: 小川 誠司 (The Max Planck Center Seminar Series共催) 
所属: 京都大学医学研究科・教授
演題: MDSの遺伝学的基盤について
概要:

骨髄異形成症候群(MDS)は血球形態の異常を伴う骨髄不全・血球減少と急性骨髄性白血病(AML)への移行を特徴とする慢性骨髄系腫瘍である。1990年代に分子病態の理解が進んだAMLとは対照的に、従来、その病態には不明な点が多かったが、今世紀にはいって、本症の発症に関わる遺伝変異の同定が進みその病態の解明に著しい進展が認められた。DNAメチル化やクロマチン修飾に関わる一群の遺伝子の異常に伴うエピジェネシス制御の異常やRNAスプライシングの異常は本症の病態を特徴づける代表的な異常であるが、このような一群の遺伝子変異の間には、クローン選択される変異の順序や組み合わせに関連したある種の階層関係が存在し、MDS発症や進展と密接に関わっていることが明らかにされつつある。本講演ではゲノム解析を通じた近年のMDS病態研究の進歩について、我々自身の研究を中心に紹介する。

世話人: 〇合山 進 (細胞療法分野)
 中西 真(癌防御シグナル分野)