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ヘルペスウイルス感染におけるTLR3応答制御機構の解明

学友会セミナー

学友会セミナー:2017年12月05日

開催日時: 2017年12月05日 16:00 ~ 17:30
開催場所: 4号館3階 国際粘膜ワクチン開発研究センターセミナー室
講師: 佐藤 亮太
所属: 東京大学医科学研究所 感染遺伝学分野・特任研究員
演題: ヘルペスウイルス感染におけるTLR3応答制御機構の解明
概要:

ヘルペス脳炎(HSE)はヘルペスウイルスI型 (HSV-1)を原因とする病気である。HSE患者で2重鎖RNAセンサーTLR3およびTLR3応答関連遺伝子の変異が見つかっており、TLR3応答がヘルペス感染における宿主の防御機構として働くことが示唆されている。しかし、TLR3はリガンド認識機構、局在や応答メカニズムなどの分子基盤において不明な点が多い。
代謝センサーであるmTORは代謝系を制御する重要な分子の一つであり、mTORC1とmTORC2という2種類の複合体を構成する分子である。アミノ酸センサーであるmTORC1は代謝系だけでなく、自然免疫系に影響することもわかってきた一方で、mTORC2はリガンドさえ不明瞭で在り研究が進んでいない。
我々は、線維芽細胞および神経細胞を用いたmTOR阻害剤処理実験により、mTORC2がTLR3の細胞内サイトカイン産生および細胞内移行を制御することを見出した。また、マウスを用いたHSV感染実験においても、TLR3-mTORC2シグナルが重要であることが示された。本セミナーでは、mTORC2におけるTLR3応答制御機構とともに最新の研究結果を発表していきたい。

世話人: 〇三宅 健介(感染遺伝学分野)
  川口 寧(ウイルス病態制御分野)
  一戸 猛志(感染制御系・ウイルス学分野)