神経成長の分子基盤をどう理解するか?
学友会セミナー:2017年10月27日
開催日時: | 2017年10月27日 15:00 ~ 16:15 |
---|---|
開催場所: | 病院棟8階南会議室 |
講師: | 五十嵐 道弘 |
所属: | 新潟大学医歯学系・神経生化学(医学部生化学第二)・教授 |
演題: | 神経成長の分子基盤をどう理解するか? |
概要: | 神経回路形成という過程を経て、ヒトでも出生時にはすでにひとりでに、「脳」という「容器」自体は既に出来上がっている。成長円錐(growth cone)は発達期の神経細胞に形成される突起(主に軸索)の先端に形成される運動性に富んだ構造であり、これが移動して特定の経路をたどり、標的神経細胞を認識するとそこで停止してシナプス構造が作られる。このような成長円錐の機能は、発生時期のみならず、成熟脳においてもadult neural stem cell の分化に伴う可塑的シナプス形成や、損傷脳で生ずる神経回路再編時にも必要とされ、脳の発生・可塑性・再生の全てにわたってその分子基盤が関わっていると考えられる。成長円錐の分子基盤を哺乳動物脳で包括的に理解すべく、プロテオミクスを適応した結果(PNAS 2009; Neurosci Res 2014)、線虫・ショウジョウバエとは全く異なる分子基盤が浮かび上がってきた。今回はその基盤に基づく、新たなアプローチの結果を紹介する。
|
世話人: | 〇渡辺すみ子(再生基礎医科学)
真鍋 俊也(神経ネットワーク分野) 村上 善則(人癌病因遺伝子分野) |