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中枢神経系におけるシナプス局在性蛋白質の機能解析

学友会セミナー

学友会セミナー:2017年02月15日

開催日時: 2017年02月15日 16:30 ~ 17:30
開催場所: 2号館2階小講義室
講師: 千村 崇彦
所属: 東京大学 医科学研究所 神経ネットワーク分野 特任研究員
演題: 中枢神経系におけるシナプス局在性蛋白質の機能解析
概要:

中枢神経系における神経細胞同士の接点であるシナプスは、神経細胞間の情報伝達を担う重要な構造であり、シナプスに集合する蛋白質の機能と制御機構を理解することは、神経可塑性や神経疾患を分子レベルで理解する上で重要な課題である。今回のセミナーでは、2つの研究テーマに関して紹介したい。
第一のテーマは、グルタミン酸受容体の過剰刺激によって細胞死が誘導される条件(興奮毒性)でのドレブリンの安定性の制御機構について。ポストシナプス側に集積し、f-アクチン安定化蛋白質として知られるドレブリンが興奮毒性条件下でカルシウム依存性プロテアーゼであるカルパインにより直接的な蛋白質分解を受けることに加え、f-アクチンの安定性との協調的な制御が存在することが示唆されたことを主に提示する。
第二のテーマは、神経機能に関与する新規蛋白質の同定と機能解析について。シナプス構造に集積する可能性のある蛋白質を新規に単離する目的で、数アミノ酸からなるある種の配列パターン(モチーフ)に着目する戦略に基づき、機能未知蛋白質としてUF1 (Unknown Function 1)を同定し、実際にポストシナプスに存在していることを明らかにした。ノックアウトマウスの表現型解析をはじめとした機能解析について提示する。

世話人: ○武川 睦寛(分子シグナル制御分野)
 真鍋 俊也(神経ネットワーク分野)