患者特異的な癌遺伝子変異を標的としたT細胞養子免疫療法
学友会セミナー
学友会セミナー:2017年02月22日
開催日時: | 2017年02月22日 17:00 ~ 18:00 |
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開催場所: | 2号館 大講義室 |
講師: | 花田 賢一 |
所属: | アメリカ国立衛生研究所 国立がん研究所 外科 スタッフ・サイエンティスト |
演題: | 患者特異的な癌遺伝子変異を標的としたT細胞養子免疫療法 |
概要: | 米国National Cancer Institute外科(Chief Dr. Steven Rosenberg)では腫瘍浸潤性リンパ球による癌の腫瘍免疫療法を長年行っており、悪性黒色腫では50%以上の症例で臨床効果が認められている。しかし悪性黒色腫以外の腫瘍においては患者の抗腫瘍免疫反応が弱く、悪性黒色腫で見られるような臨床効果を得ることは困難であった。そのような中、近年のNext Generation Sequencingの進歩は患者の腫瘍に存在する遺伝子変異を短期間に同定することを可能にした。この情報を用いることで悪性黒色腫だけではなく、肺がん、乳がん、大腸がん、すい臓がん、膀胱がん、子宮頸がん等でも腫瘍中で遺伝子変異に特異的なT細胞性の免疫反応が起こっていることが明らかになった。更に我々はこれらの腫瘍浸潤性T細胞を体外で増殖させた上で投与する臨床治験を行ってきた。今回のセミナーではこの臨床治験を通して学んだこと、見えてきた問題点、そして今後の可能性について紹介し、議論したい。 |
世話人: | ○大津 真 (幹細胞プロセシング分野)
長村 登紀子 (セルプロセシング・輸血部) |