アマクリン細胞とマイクログリアが制御するNeurovascular unitによる網膜微小循環の調節とその破綻
学友会セミナー
学友会セミナー:2017年02月03日
開催日時: | 2017年02月03日 18:00 ~ 19:00 |
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開催場所: | 病院棟8階 南(小)会議室 |
講師: | 臼井 嘉彦 |
所属: | 東京医科大学臨床医学系眼科学分野 講師 |
演題: | アマクリン細胞とマイクログリアが制御するNeurovascular unitによる網膜微小循環の調節とその破綻 |
概要: | 血液―網膜関門に代表される網膜の血管構造は神経系と血管系組織が機能的に相互補助関係にあるneurovascular unit(NVU)を基盤に構築されています。もともと中間ニューロンとして働く網膜のアマクリン細胞は視覚経路で修飾的に働き、時間的・空間的な特徴抽出を行っていると考えられてきました。しかし、アマクリン細胞と網膜マイクログリアが網膜内層の毛細血管形成を制御することでNVUを形成し、低酸素誘導因子の機能を介し、低酸素センサ-そのものとして働くことがわかりました。また、アマクリン細胞が障害されることで内側血液―網膜関門(inner BRB)を構成する網膜中層の毛細血管も障害され、糖尿病網膜症の視力低下の主な原因となっている黄斑浮腫をきたす。網膜は唯一直接可視化できる中枢神経系の臓器であり、NVUの概念より網膜疾患に限らず、様々な中枢神経疾患においての理解が深まることが期待されます。 |
世話人: | ○渡辺 すみ子 (再生基礎医科学)
中内 啓光 (幹細胞治療分野) |