B細胞の分化・機能におけるPtbp1の役割
学友会セミナー
学友会セミナー:2017年01月16日
開催日時: | 2017年01月16日 13:00 ~ 14:00 |
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開催場所: | 総合研究棟 2階共用会議室 |
講師: | 笹沼 寛樹 |
所属: | 東京大学医科学研究所 発生工学研究分野 特任研究員 |
演題: | B細胞の分化・機能におけるPtbp1の役割 |
概要: | 選択的スプライシングをはじめとする遺伝子の転写後制御は、遺伝子の正確な発現を担保するだけでなく、細胞の分化・生存・機能・活性化などの面からも極めて重要である。例えば、B細胞が産生する抗体はIg重鎖遺伝子から膜型(B細胞受容体)として転写されたmRNA前駆体が、選択的スプライシングにより分泌型(抗体)へと変化した物であることがよく知られている。このような転写後制御機構はRNA結合タンパク質を介して厳密に制御されているが、標的RNAの制御方法や細胞の生理機能との関連については不明な点が多い。Ptbp1はhnRNPファミリーに属するRNA結合タンパク質の一つで、標的RNAのピリミジン塩基に富む配列に結合する。これまでに我々は、Ptbp1がES細胞や神経幹細胞の分化に必須であることを明らかにしてきた。最近、我々はPtbp1がリンパ球系において高発現していることを見出し、これらの細胞の分化や機能に関与する可能性が高いと予想した。本セミナーでは、これまでの我々のB細胞特異的Ptbp1欠損マウスを用いた解析結果を中心に、最新の研究結果を紹介していきたい。 |
世話人: | ○甲斐 千恵子 (実験動物研究施設)
中江 進 (システムズバイオロジー研究分野) |