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骨格筋幹細胞と筋の恒常性維持

学友会セミナー

学友会セミナー:2016年09月30日

開催日時: 2016年09月30日 17:30 ~ 18:30
開催場所: 記念館 多目的室
講師: 深田 宗一朗
所属: 大阪大学 未来戦略機構/薬学研究科・特任准教授
演題: 骨格筋幹細胞と筋の恒常性維持
概要:

骨格筋は我々の日常動作に不可欠な組織であり、最終分化した多核細胞である筋線維により構成されている。生理的な環境下では、筋線維の脱分化は観察されず、代わりに稀に存在する骨格筋幹細胞(別名:筋衛星細胞)が新たな筋線維を生み出す。そのため筋衛星細胞は、筋恒常性維持に必要と考えられているが、「各筋疾患に対する筋衛星細胞の寄与度」に関しては整理して議論する必要がある。
我々は、静止期状態の筋衛星細胞に特異的に発現している遺伝子に着目し研究を進めてきた。その結果、1)古典的Notchシグナル経路の直接の標的遺伝子Hey1およびHeyLが筋衛星細胞の未分化性維持に働き、2)カルシトニン受容体-cAMP-PKA/Epac 経路が筋衛星細胞の静止期・局在維持に働いていることを明らかにした。本セミナーでは、我々の研究成果を元に筋衛星細胞の維持メカニズムと「各筋疾患に対する筋衛星細胞の寄与度」の関連について紹介したい。また、最重要骨格筋研究として現在注目を集めている、加齢性筋萎縮や癌悪液質についても、我々のこれまでの研究成果を元にしたアプローチ・筋衛星細胞の関与について紹介し、議論したい。

世話人: ○田中廣壽(附属病院 抗体・ワクチンセンター)
 武川陸寛(分子シグナル制御分野)