当科におけるがん免疫療法の臨床開発
学友会セミナー
学友会セミナー:2016年06月02日
開催日時: | 2016年06月02日 14:00~15:00 |
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開催場所: | 総合研究棟4階 共用会議室 |
講師: | 土方 康基 |
所属: | 九州大学病院 先端分子細胞治療科 臨床講師 |
演題: | 当科におけるがん免疫療法の臨床開発 |
概要: | 進行・再発固形腫瘍に対する新しい治療法を開発することが社会的にも強く要請されている。我々は腫瘍抗原と免疫寛容を標的とした抗腫瘍免疫療法による第1相臨床試験ならびに医師主導治験をデザインし、その安全性や有効性を検証してきた。中村祐輔・元東京大学教授らにより同定されたtumor-associated antigen (TAA)の中で特にKOC-1, TKK, CO16, DEPDC1, MPHOSPH1, RNF43, KIF20Aは消化器癌、肺癌、子宮癌等に高発現しており、正常組織には発現が認められないか非常に少ない。またこれらのTAA由来エピトープペプチドにより強力な細胞傷害活性を有するペプチド特異的細胞傷害性Tリンパ球クローンを樹立できたことから、本ペプチドは強力な免疫原性を有すると考えられる。さらに、近年の研究から悪性腫瘍が腫瘍微小環境において様々な機序により免疫寛容を誘導することが明らかになってきた。我々はこれまでにこれらTAAを用いた抗腫瘍免疫の誘導と免疫寛容の排除を組み合わせた免疫療法第Ⅰ相臨床研究および医師主導治験を行ってきた。本セミナーではこれら臨床試験概要および結果について紹介させて頂く。 |
世話人: | ○東條 有伸 (分子療法分野)
山下 直秀 (先端診療部) |