リン脂質多様性の意味を考える
学友会セミナー
学友会セミナー:2016年02月02日
開催日時: | 2016年02月02日 17:00~18:00 |
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開催場所: | 2号館 小講義室 |
講師: | 清水 孝雄 |
所属: | 国立国際医療研究センター・研究所長 |
演題: | リン脂質多様性の意味を考える |
概要: | リン脂質(今回はグリセロリン脂質に限定する)は両親媒性を利用して、生体膜の主成分としての役割を果たしている。複製のオリジンはRNAであるが、大海の中で、生命体(細胞)が出来るには水や低分子を簡単に通さない隔壁が必要であった。しかし、リン脂質は極性基や脂肪酸組成、グリセロールへの結合方式などを組み合わせると1000種類以上の異なる分子が存在し、組織により、あるいは細胞内小器官、あるいは細胞の内外でその組成が異なっている。このことはリン脂質は単なる隔壁以上の意味を持つと考えられるが、その生理的、病理的意義は十分に明らかではない。演者はどの様な機構で膜リン脂質の多様性が出来るかを探索する中で、重要な遺伝子ファミリーを見出した。これらの遺伝子を欠損したマウス、あるいはゲノム編集で発現を変化させた細胞などを用いて、それらのリン脂質組成の変化が、生物機能にどの様な影響を与えるかを明らかにする研究を行っている。これらの知見を述べ、議論を行いたい。 |
世話人: | ○渡辺 すみ子
小澤 敬也 |