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肝臓手術の麻酔全身管理

学友会セミナー

学友会セミナー:2015年12月14日

開催日時: 2015年12月14日 18:00-
開催場所: 東京大学医科学研究所 1号館 2階 セミナー室
講師: 折井 亮 博士
所属: 東京大学医学部附属病院 麻酔科・痛みセンター 講師
演題: 肝臓手術の麻酔全身管理
概要:

肝臓手術の中でも特に肝移植手術は、長時間の大手術であり、手術侵襲が大きいため麻酔全身管理の立場からも困難な状況に直面することが多い。わが国では、1997年に生体肝移植手術が初めて施行され、また、1997年臓器移植法の制定後に脳死肝移植も行われている。初の成人生体肝移植手術は東大病院にて施行され、現在までに当院における肝移植全症例数は、540症例にまで達しており、生存率も良好である。
肝移植手術や肝臓手術では、肝機能低下に伴う凝固障害や出血傾向、腎不全、呼吸不全など臓器障害を合併している症例が多い。出血による循環不全や虚血再灌流などの手術侵襲にさらされる肝臓を迅速に評価することや周術期の重要臓器の酸素負債を考慮して全身管理を適切に行うことは、その後の肝臓の状態に対して極めて重要である。
 臨床麻酔科医の立場から今まで得られた知見にもとづいて、肝移植手術の概要や術中の生体グラフト肝の肝機能評価、周術期の肝機能評価を中心に肝臓手術の麻酔管理に関して概説させて頂く予定である。

世話人: ○東條 有伸(分子療法分野・教授)
 小澤 敬也(遺伝子治療開発分野・教授)