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がん化を防ぐDNA損傷応答機構

学友会セミナー

学友会セミナー:2015年07月13日

開催日時: 2015年07月13日 18:00-19:00
開催場所: 東京大学医科学研究所 1号館 講堂
講師: 中西 真
所属: 名古屋市立大学大学院医学研究科 細胞生化学分野・教授
演題: がん化を防ぐDNA損傷応答機構
DNA damage response as an anti-cancer barrier
概要:

真核細胞はDNA損傷、酸化的ストレス、あるいはがん遺伝子活  性化等のゲノムストレスを受けるとDNA損傷応答を活性化させる。DNA損傷応答はDNA損傷の程度や、損傷を受けた時期に依存して、一過性細胞周期停止やアポトーシス、あるいは早期細胞老化などの細胞応答を誘導する。これらの細胞応答は、損傷細胞を適切に修復して再利用するか、修復できない場合には異常細胞の蓄積を防ぐことで個体のがん化を防止していると考えられている。本セミナーでは、DNA損傷により惹起される細胞応答を制御する分子機構について、我々のこれまでの研究成果を含めて概説し、個体のがん化防止にいかなる役割を果たしているか説明したい。とりわけ、これまでよく分かっていなかった早期細胞老化誘導機構について最新の知見を紹介するとともに、DNA損傷応答を標的とした抗がん療法開発の可能性についても議論したい。

世話人: ○村上 善則(人癌病因遺伝子分野・教授)
 井元 清哉(ヘルスインテリジェンスセンター・教授)