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ヒストンH3K27メチル化制御による造血維持機構の解析

学友会セミナー

学友会セミナー:2015年05月15日

開催日時: 2015年05月15日 13:00-14:00
開催場所: 東京大学医科学研究所 2号館 2階 小講義室
講師: 本田 浩章 先生
所属: 広島大学原爆放射線医科学研究所 疾患モデル解析研究分野・教授
演題: ヒストンH3K27メチル化制御による造血維持機構の解析
概要:

Histone tailはメチル化、アセチル化、ユビキチン化など様々な化学修飾を受け、細胞の増殖・分化等の運命決定に重要な働きをしていることが知られている。中でも、トリメチル化されたヒストンH3の第27番目のリジン残基(H3K27me3)はrecessive histone markであり、転写抑制に関与すると考えられている。H3K27はcatalytic subunitであるEZH2とnon-catalytic subunitであるEED, SUZ12から構成されるポリコーム抑制複合体PRC2(polycomb repressive complex 2)によりメチル化を受ける一方で、2種類の異なる脱メチル化酵素であるJMJD3とUTXにより脱メチル化を受ける。近年、骨髄異形成症候群およびその関連疾患でEZH2, EED, SUZ12, UTXの変異が報告され、H3K27メチル化制御は正常造血機構維持に重要であり、その脱制御が造血器腫瘍発症に関与すると想定されている。この点を明らかにする目的で、我々はヒストンH3K27メチル化を正に制御するEED、および負に制御するJMJD3, UTXについて、コンディショナルノックアウトマウスを個別に作製した。今回のセミナーでは、これらのH3K27メチル化制御因子の後天性欠損による正常造血への影響および造血器腫瘍発症への関与について、得られた結果を報告する。

世話人: ○北村 俊雄(細胞療法分野・教授)
 渡邉 すみ子(再生基礎医科学国際研究寄付研究部門・特任教授)