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生命システムデータの統計的モデリング

学友会セミナー

学友会セミナー:2015年02月04日

開催日時: 2015年02月04日 18:00-19:00
開催場所: 東京大学医科学研究所 1号館 講堂
講師: 井元 清哉
所属: ヒトゲノム解析センター・准教授
演題: 生命システムデータの統計的モデリング
概要:

生命システムに関する大規模データの統計的モデリングについて紹介する。RNAやタンパク質が形成する生体内分子のネットワークをデータ解析により描出するシステム生物学における成果として、(1)ベイジアンネットワークや変動係数構造方程式モデルを用いた薬剤応答ネットワークの抽出からの新規薬剤標的候補の発見・薬剤感受性の予測、(2)状態空間モデルやデータ同化による生体内分子ネットワークのシミュレーションにより予後・再発予測を可能とするバイオマーカーの発見などいくつかの例を紹介する。また、近年の次世代シークエンサーの高性能化低コスト化により、シークエンスデータの統計的解析は、がん研究をはじめさまざまな生命科学研究領域において必須のものとなっている。シークエンスデータ解析における統計的モデリングとして、ヘテロ接合性生殖細胞系変異情報を利用したベイズ統計に基づく体細胞変異同定手法について紹介する。最後に、演者の関わる臨床シークエンスのためのインフラの整備について紹介し、レセプト・DPC等情報や健常者のゲノムシークエンスを統合したヘルスビッグデータを用いた研究への展望を述べる。 

世話人: ○宮野 悟(DNA情報解析分野・教授)
 中井 謙太(機能解析イン・シリコ分野・教授)