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脳腫瘍マウスモデルの開発と応用

学友会セミナー

学友会セミナー:2014年10月03日

開催日時: 2014年10月03日 16:00-16:45
開催場所: 病院棟 8階 南会議室
講師: 百田 洋之
所属: 名古屋大学医学部附属病院 脳神経外科・講師
演題: 脳腫瘍マウスモデルの開発と応用
概要:

悪性脳腫瘍は、根治不能で極めて予後不良な中枢神経系の癌である。代表的なものに、成人の膠芽腫と小児の髄芽腫があるが、比較的稀少な癌であるため、大規模な臨床試験による治療法の開発が難しい。正確な動物モデルの使用による基礎研究と前臨床試験の実施が必要である。
 演者は、マウスの脳細胞に癌遺伝子を導入し脳腫瘍が発生するRCAS/tv-aシステムを日本に初めて導入した。本システムは、癌遺伝子を組み込んだレトロウイルスベクター(RCAS)と、ウイルス受容体(tv-a)をグリア細胞にのみ発現するtv-aマウスから成り、癌遺伝子の種類やマウスの遺伝子背景を変えることで、膠芽腫や髄芽腫など様々な脳腫瘍を作成することができる。このマウスモデルは、遺伝学的・組織学的にヒト脳腫瘍を正確に反映しているため、腫瘍発生機構の解明や前臨床試験の実施に極めて有用である。RCAS/tv-aシステムを用いた脳腫瘍研究の可能性について紹介する。

世話人: ○長村 文孝(先端医療開発推進分野・教授)
 東條 有伸(分子療法分野・教授)