開催日時: |
2012年11月01日 13:30-18:30 |
開催場所: |
1号館講堂 |
講師: |
1. 竹内 賢吾 Kengo Takeuchi
2. 河野 隆志 Takashi Kohno
3. 後藤 典子 Noriko Gotoh
4. 高橋 英彦 Hidehiko Takahashi
5. 望月 友美子 Yumiko Mochizuki
6. 桐生 茂 Shigeru Kiryu
7. 滝澤 始 Hajime Takizawa
8. 山川 彰夫 Akio Yamakawa |
所属: |
1. がん研究会 がん研究所 分子標的病理プロジェクト プロジェクトリーダー
2. 国立がん研究センター ゲノム生物学研究分野 分野長
3. 東京大学医科学研究所 分子療法分野 がん分子標的研究グループ 特任准教授
4. 京都大学大学院医学研究科 脳病態生理学講座 精神医学教室 准教授
5. 国立がん研究センター がん対策情報センター タバコ政策研究部長
6. 東京大学医科学研究所附属病院 放射線科科長、准教授
7. 杏林大学医学部 呼吸器内科 教授
8. 東京大学医科学研究所 特任教授、学術アドバイザー長 |
演題: |
第5回 疾患医科学ミニシンポジウム 『肺がんと呼吸器疾患 ~ゲノム研究-疫学-依存症-生活習慣病~』Lung Cancer and Respiratory Disorders ~Genome study-Epidemiology-Addiction-Lifestyle related diseases~ GCOE特別セミナー(医科学教育セミナー) (held in Japanese) |
概要: |
【プログラム】 (事前参加登録不要)
第一部 基礎編
1. 「肺がんにおける融合遺伝子の発見」
竹内 賢吾 がん研究会 がん研究所 分子標的病理プロジェクト プロジェクトリーダー
2. 「RET融合遺伝子-肺がん個別化医療拡大の試み-」
河野 隆志 国立がん研究センター ゲノム生物学研究分野 分野長
3. 「早期肺がん予後予測シグネチャーとgefitinib耐性の分子機構」
後藤 典子 東京大学医科学研究所 分子療法分野 がん分子標的研究グループ 特任准教授
4. 「依存症の脳生理と分子イメージング」
高橋 英彦 京都大学大学院医学研究科 脳病態生理学講座 精神医学教室 准教授
第二部 臨床編
5. 「たばことがんの疫学と禁煙政策:直接喫煙、受動喫煙」
望月 友美子 国立がん研究センター がん対策情報センター タバコ政策研究部長
6. 「呼吸器疾患の放射線科診断の現状」
桐生 茂 東京大学医科学研究所附属病院 放射線科科長、准教授
7. 「呼吸器疾患診療の現状と展望:喫煙、肺がん、COPDを中心に」
滝澤 始 杏林大学医学部 呼吸器内科 教授
8. 「ニコチン依存モデルと禁煙治療。 おわりに」
山川 彰夫 東京大学医科学研究所 特任教授、学術アドバイザー長
【概要】
東京大学医科学研究所&先端科学技術研究センターのグローバルCOE プログラム(GCOE)では、先端医療開発を目指した優れた研究拠点の創出と同時に、グローバルな医療課題に取り組む広い視野を持った「人財」を育成する事をミッションの2つの柱としています。
医科学研究所に学ぶ大学院生の多くは医師(MD)ではなく、学部時代のライフサイエンス教育と大学院における専門性の高い教育課程との間にギャップが生じる可能性が指摘されています。欧米でもTranslational Researchや医学研究に関わる非MDの学生・若手研究者に対する疾患の基礎知識教育などを目的とした医学教育プログラムの開発が行われています。また、医学領域における極度の専門化の進展から、自分の専門以外の疾患について基礎から応用・臨床までの先端的知識を常に持ち続けることは困難であるのが正直なところでしょう。これらの課題の解決と領域を超えた研究者間の協働を更に促進する目的で、「一回に一つの疾患や治療法にフォーカスし、基礎医学から応用、診断・治療、場合によって予防・公衆衛生などの専門家から、[非MDのライフ系院生・ 研究者や専門科外の医師・医療スタッフ・研究者にも理解できる事を念頭に置き]現状から最先端のコンパクトなレビューをする」形式の「疾患医科学ミニシンポジウム・シリーズ」を一昨年から開始いたしました。質疑・討議では、フロアとの間・専門家間のディスカッションから、将来の研究の方向性が見えてくるようなことも期待されます。
今回のシリーズ第5回目は、『肺がんと呼吸器疾患 ~ゲノム研究と疫学から、依存症・生活習慣病まで~』と題して、生活習慣と環境因子が発症に大きく関与する「肺がんと 慢性閉塞性肺疾患 (COPD)などの呼吸器疾患」の基礎研究・疫学・臨床研究と実地診療にテーマを絞ったミニシンポジウムを開催します。基礎研究に関しては、特に肺がんのゲノム解析とその応用の試みについて、最先端の研究者からの講演が展開されます。臨床面については、特に進化を続ける放射線科的診断法、疾患の病態生理の理解に基づく呼吸器内科診療の進歩と展望に関してフォーカスを致します。また、生活習慣としては特に喫煙の問題を中心に、悪性腫瘍と肺がんの疫学研究のエビデンスとそれに基づく疾病対策政策についてと、生活習慣を持続する要因ともいえる「依存のメカニズム」について講演をお願いしています。 ニコチンだけでなく、ギャンブルなどの他の依存症についても、分子イメージング解析による知見を含めたメカニズムについてお話しいただく予定です。肥満や「タバコ病」など生活習慣病の多くは、原因や行動変容について「わかってはいるが、なかなか…」と言うものが多いのですが、様々な依存のメカニズムと脳機能イメージングの研究が、新しい視点からの対策に発展することが期待されます。最後にまとめとして、ニコチン依存メカニズムの疾患モデルとその理解に基づく現在の禁煙支援治療に関しての講演を予定しています。
これらの領域における研究と先端診療の日本の第一人者の講師陣を、京都大学、杏林大学、がん研究会がん研究所、国立がん研究センターからお迎えして、東大医科学研究所と附属病院のメンバーとともに、このミニシンポジウムを開催します。今回の講師陣から専門領域のレビューと最新の研究上の成果、臨床的進歩などについてもご講演いただき、今後の肺がんと呼吸器疾患の研究と診療の展望にも議論できればと思っております。
本シリーズの以前の回にも述べましたように、ある疾患の研究の結果や経験が他の疾患の研究に多大な影響を与えると言うことは、医科学領域では今までもしばしば起こってきた事であります。是非知的刺激とリフレッシュのためにもこのミニシンポジウムの「場」にお越し下さることをお願い致します。
事前登録不要・参加料無料の公開企画ですので、医科研で学び・働く、すべての学生・医師・医療スタッフ・研究者はもとより、学内・学外の産官学領域や一般の方を含む本ミニシンポジウムに興味を持たれるたくさんの皆さんの御来聴とご参加を歓迎致します。
(文責:ファシリテーター 山川彰夫、後藤典子)
Poster: http://www.ims.u-tokyo.ac.jp/imsut/jp/events/others/2082.pdf
お問い合わせ先:
東京大学医科学研究所GCOE推進室
Email:gcoe@ims.u-tokyo.ac.jp
TEL:03-6409-2028 |
世話人: |
○山川彰夫 (学術アドバイザー長、特任教授)
後藤典子 (分子療法分野 がん分子標的研究グループ 特任准教授) |