腸内環境免疫ネットワークを介した免疫制御と疾患
学友会セミナー
学友会セミナー:2012年06月04日
開催日時: | 2012年06月04日 16:00-17:00 |
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開催場所: | 東京大学医科学研究所 1号館 2階 セミナー室 |
講師: | 國澤 純 博士 |
所属: | 炎症免疫学分野 |
演題: | 腸内環境免疫ネットワークを介した免疫制御と疾患 |
概要: | 多くの病原微生物の侵入部位でもあり、かつ食餌性成分や腸内細菌などの有益な異物の取り込み、存在部位ともなっている腸管には、腸管免疫システムと呼ばれる精密な免疫システムが備えられており、生体最前線における生体防御と恒常性維持を担っている。最近、注目されている腸管免疫システムの特徴の一つとして、サイトカインなどの生体内分子だけではなく、腸内細菌や食餌性成分などの腸内環境因子を介した相互作用が免疫の機能制御において重要な役割を担っていることが挙げられる。これまでの多くの基礎的、臨床的報告から、これら腸内環境因子を介した免疫制御が食物アレルギーや炎症性腸疾患などの免疫疾患の発症とも関わっていることが示されている。腸内細菌を介した免疫制御についてはゲノム情報を基にした解析技術の発展もあり、ここ最近その実体が解明されてきた。またもう一つの腸内環境因子である食餌性成分についても未だ曖昧模糊とした部分も多く残されているが、徐々にその実体が分子、細胞レベルで明らかとなりつつある。本発表においては、脂質メディエーターを介した腸管免疫制御に関する研究を起点に、現在発展させている食餌性分子を介した腸管免疫制御と粘膜免疫疾患との関連に関する研究を中心に、最近の研究から得られた知見を発表する。 |
世話人: | ○伊庭 英夫(宿主寄生体学分野 教授)
清野 宏 (炎症免疫学分野 教授) |