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試験管内再構成系を用いたSTINGによるインターフェロン誘導メカニズムの解析-STING Specifies IRF3 Phosphorylation by TBK1 in the Cytosolic DNA Signaling PathwayGCOE特別セミナー(医科学教育セミナー)

学友会セミナー

学友会セミナー:2012年02月29日

開催日時: 2012年02月29日 17:00-18:00
開催場所: 2号館2階大講義室
講師: 田中康雄
所属: 東京大学医学部附属病院 消化器内科
演題: "試験管内再構成系を用いたSTINGによるインターフェロン誘導メカニズムの解析-STING Specifies IRF3 Phosphorylation by TBK1 in the Cytosolic DNA Signaling Pathway"GCOE特別セミナー(医科学教育セミナー)
概要:

DNAウイルスや細菌のゲノムに存在する2本鎖DNAは自然免疫系により認識され、I型インターフェロン(IFN)や炎症性サイトカインの産生を誘導することが知られている。
近年これらの細胞質DNAにより活性化されるシグナル伝達系に必須のタンパク質としてSTING (Stimulator of interferon genes)が同定された。STINGは過剰発現によりIFN-の発現やISREプロモーターの活性化を誘導する。またノックアウトマウスの解析ではHSV-1やVSVなどのDNAウイルスの感染によるI型IFNの産生が著明に減少しており,細胞質DNAを認識するセンサーの下流に位置するアダプタータンパク質と考えられている。しかしながら, STINGがIRF3を活性化する分子機構については明らかでなかった。
今回我々は試験管内での再構成系を用いて、STINGがTBK1によるIRF3のリン酸化を促進することを示した。また本再構成系を用いて、全長の約10%にあたるSTINGのカルボキシ末端39アミノ酸が、TBK1の活性化とIRF3のリン酸化に必要十分で、この部位が直接TBK1及びIRF3と結合し、TBK1によるIRF3の活性化を促進することが明らかとなった。一方でIRF3との結合が特異的に阻害されたSTINGの変異体は、TBK1と結合しTBK1を活性化するものの、IRF3は活性化しなかった。
IL-1やTLRの刺激でTBK1のリン酸化は観察されるが、必ずしもIFNの誘導は認められないことが知られている。我々の結果は、STINGが足場タンパクとして働きTBK1の基質の特異性を決定している可能性を示唆している。また本研究の結果を応用することにより、IRF3の活性化を特異的に阻害するものの他のTBK1の基質の活性化を阻害しない薬剤の開発も期待できる。

世話人: ○井上純一郎 分子発癌分野
山梨裕司  腫瘍抑制分野