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ピューロマイシンテクノロジを土台としたインタラクトーム医科学へ向けて

学友会セミナー

学友会セミナー:2011年03月15日

開催日時: 2011年03月15日 17:00-18:00
開催場所: 東京大学医科学研究所 2号館 2階 大会議室
講師: 宮本 悦子
所属: 慶應義塾大学理工学部 先端科学技術研究センター
演題: ピューロマイシンテクノロジを土台としたインタラクトーム医科学へ向けて
Toward interactome medical sciences based on "puromycin technology"
概要:

生体分子であるタンパク質が機能を発揮するためには、相互作用による様々なネットワーク形成が重要な役割を担っている。タンパク質のインタラクトームのネットワーク解析から生体内における生体分子のダイナミクスについての知見を得て、疾患メカニズムの解明や疾患に関わるバイオマーカーや創薬ターゲットを探索することが所望されている。
  我々は、世界に先駆けて、in vitro virus (IVV)法(Genome Res. 15, 710, 2005)とC末端ラベル化法(NAR 31, e78, 2003)の2つの独自技術(ピューロマイシンテクノロジと総称)を開発し、ハイスループットな大規模タンパク質相互作用(PPI)解析の実験系を構築した。IVV法は、相互作用パートナーを解析出来るだけでなく、機能ドメインを含む相互作用領域(IR)の正確な配列が得られるので、相互作用の精緻化(リファイニング)が可能となる。精緻化データは、生体分子のネットワーク変化を引き起こすバリアントやSNPs解析や個別化医療への応用へ繋がる可能性がある。
 システム生物学的方法論に基づく「インタラクトーム医科学」に向けて、多様な「個性」を持つがん細胞の理解と制御を目指す。IVV法と次世代シーケンサ技術との融合による精緻化インタラクトームデータの収集可能な実験系の開発を進め、世界で初めてゲノムデータと同じプラットフォームでタンパク質の網羅的相互作用データが扱える技術開発とその解析パイプラインの基盤技術の構築を目指して行く。

世話人: ○宮野 悟(DNA情報解析分野 教授)
 津本 浩平(疾患プロテオミクスラボラトリー 教授)