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第2回 疾患医科学ミニシンポジウム『関節リウマチ研究の進歩と臨床の現状~膠原病・自己免疫疾患のプロトタイプとして~』 "GCOE特別セミナー(医科学教育セミナー)"

学友会セミナー

学友会セミナー:2011年02月04日

開催日時: 2011年02月04日 17:30-20:30
開催場所: 東京大学医科学研究所1号館講堂
講師: 森本幾夫 教授 東大医科研免疫病態分野・先端医療研究センター長,
       附属病院アレルギー免疫科科長
山田亮 教授 京都大学大学院医学系研究科附属ゲノム医学センター
      統計遺伝学分野
岩倉洋一郎 教授 東大医科研分子病態研究分野, システム疾患モデル研究
        センター長
竹内勤 教授 慶應義塾大学医学部内科学教室リウマチ内科
田中廣壽 准教授 東大医科研附属病院アレルギー免疫科
ファシリテーター:岩田哲史特任講師 東大医科研免疫病態分野
           山川彰夫特任教授 東大医科研経営戦略室
所属: 上記記載
演題: 第2回 疾患医科学ミニシンポジウム『関節リウマチ研究の進歩と臨床の現状~膠原病・自己免疫疾患のプロトタイプとして~』 "GCOE特別セミナー(医科学教育セミナー)"
概要:

【演題および講師】
1. 「全体の俯瞰とまとめ」
   森本幾夫教授 東大医科研免疫病態分野
               先端医療研究センター長
               附属病院アレルギー免疫科科長

2. 「関節リウマチの遺伝因子解析」
   山田亮教授 京都大学大学院医学系研究科附属ゲノム医学センター
          統計遺伝学分野

3. 「マウスモデルを用いた関節リウマチ発症機構の解析」
   岩倉洋一郎教授 東大医科研 分子病態研究分野
     システム疾患モデル研究センター長

4. 「生物学的製剤による間接リウマチの最新治療戦略」
   竹内勤教授 慶應義塾大学 医学部内科学教室リウマチ内科

5. 「リウマチ臨床における抗炎症薬 ~ステロイドの新しい展開を中心に」
   田中廣壽准教授 東大医科研附属病院アレルギー免疫科

司会・質疑応答
ファシリテーター:岩田哲史特任講師 東大医科研先端医療研究センター
                  免疫病態分野
          山川彰夫特任教授 東大医科研経営戦略室

【概要】
 東京大学グローバルCOEプログラム「ゲノム情報に基づく先端医療の教育研究拠点」では、先端医療開発を目指した優れた研究拠点の創出と同時に、グローバルな医療課題に取り組む広い視野を持った「人財」を育成する事を、ミッションの2つの柱としています。
 今回のシリーズ第2回目は、自己免疫疾患としては最も患者数の多い疾患である「関節リウマチ」にテーマを絞ったミニシンポジウムを開催します。東大・京大・慶応大から免疫学・ゲノム研究・疾患モデル動物開発およびリウマチ診療に関する日本の第一人者の講師陣を迎えて、このミニシンポジウムを企画しました。
 本ミニシンポジウムでは、まず、当研究所免疫病態分野長兼先端医療研究センター長としてヒト化抗CD26モノクローナル抗体などによる免疫 療法の基礎研究とトランスレーションに取り組む一方、当研究所附属病院アレルギー免疫科科長として膠原病・リウマチ疾患の実地臨床の専門家で もある森本教授より、関節リウマチ全般についてのレ ビューが提示されます。
 次に、関節リウマチ発症に対する遺伝的リスクファクターの同定とその意義について、昨春まで当研究所ヒトゲノム解析センターに所属し、現在、京都大学ゲノム医学センター統計遺伝学分野でご活躍中の山田教授にご講演頂きます。
 また、当研究所分子病態研究分野長兼システム疾患モデル研究センター長の岩倉教授より、HTLV-1 tax トランスジェニックマウスに始まる種々のリウマチ・自己免疫マウスモデルと、特に炎症性サイトカインIL-17ファミリー・Th17細胞とリウマチ疾患の病態についての講演を致します。 
 そして、リウマチ・膠原病の診療・研究の第一人者でおられる慶応義塾大学医学部リウマチ内科の竹内教授には、関節リウマチの最近の治療パラダイムと抗リウマチ剤 DMARDs ( DiseaseModifying Anti-rheumatic Drugs ) および生物学的製剤に関してのご講演をお願いしました。
 最後に、リウマチ診療と共にその他の炎症疾患や膠原病一般に対する古典的な治療薬である非ステロイド系消炎鎮痛剤 (Non-Steroidal Anti-Inflammatory Drugs; NSAIDs) と副腎皮質ステロイドホルモンについて、薬理作用と副作用、また作用・副作用の分離を目指す治療戦略について、当研究所免疫分野・附属病院アレルギー免疫科の田中准教授がお話します。

ある疾患の研究の結果や経験が他の疾患の研究に多大な影響を与えると言うことはしばしば起こってきた事であり、これからもそれは変わらないでしょう。どうか皆さんご自分の専門分野に「とじこもり」をせず、是非心身のリフレッシュのためにもこのセミナーの「場」にお越しになることをお勧めします。また、他科の医師やナース・検査・薬剤部・事務部など病院の医療スタッフの皆様にとっては、日常臨床業務や職種間連携のためのいわゆるIEP (Inter-Professional Education)にも資する良い機会と捉えていただき、多数のご参加を呼びかけるところです。
 医科研で学び・働く、すべての学生・医師・研究者を始め、このセミナーに興味を持たれる学内・学外の多様な立場の方々の沢山の参加を歓迎致します。        
(文責:ファシリテーター 岩田哲史・山川彰夫) 

世話人: 森本幾夫 免疫病態分野・先端医療研究センター長,
附属病院アレルギー免疫科科長
山川彰夫 経営戦略室長・GCOE推進委員