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研究活動

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H28年度の業績のトピック
尾池班員の心不全の新たな発症メカニズム解明と新規遺伝子治療法開発に関する研究がNature Communications誌に掲載されました。

 細胞老化は、がん化抑制などの生体の防御機構として重要な意義を持ちますが、老化した細胞から種々のサイトカインなどが過剰に産生・分泌される現象であるSASP(senescence-associated secretary phenotype)が、細胞老化の促進やがんなどの疾患の発症・進展に関わっていることが注目されています。本領域公募班員の尾池班員らの研究グループは、これまでの研究において、分泌タンパク質であるアンジオポエチン様タンパク質2(ANGPTL2)が、老化形質を示す細胞や様々なストレスを受けた細胞から過剰に産生・分泌されること、過剰に分泌されたANGPTL2は、持続的な炎症(慢性炎症)を引き起こすことで動脈硬化性疾患、肥満症、糖尿病などの生活習慣病やがんの発症・進展を促進することを明らかにしてきました。本領域では、特にSASP因子としてのANGPTL2シグナルと造血幹細胞老化との連関解明研究を実施しています。この研究過程において、ANGPTL2シグナルが幹細胞の機能と密接に関連する細胞のエネルギー代謝調節に関わっていることを見出しました。今回、このANGPTL2シグナルを介したエネルギー代謝調節が高齢者で増加している心不全の病態発症・進展にも関連していることが明らかになりました。詳細については以下の通りです。
 心不全は、高血圧症や虚血性心疾患、心筋症などの様々な原因によって心臓のポンプ機能(心筋の収縮力や拡張力)が低下して、体に充分な血液を送り出せなくなった状態です。医学・医療技術の目覚ましい進歩にもかかわらず、重度の心不全患者においてはその5年生存率が約50〜60%と低く、依然として非常に予後不良の病気です。心不全患者数は今後も世界規模で増加することが予想されており、超高齢社会を迎えた本邦においては特に高齢者の心不全患者数の増加が問題となっています。また、心不全は医療経済への負担の観点からも健康長寿社会実現の大きな阻害要因となっています。それ故、現在の対症療法的な治療に加え、効果的な根本治療の新規開発が望まれています。
 今回、尾池班員らの研究グループは、新たにANGPTL2が心不全の発症・進展を促進している事を明らかにしました。加齢により老化した心筋細胞や高血圧などの圧負荷によるストレスを受けた心筋細胞、心不全患者の心筋細胞では、ANGPTL2の産生・分泌が増大していることを発見しました。心不全病態におけるANGPTL2の機能を詳細に解析したところ、心筋細胞から過剰に分泌されたANGPTL2が心筋細胞自身に作用することで、心筋細胞内のカルシウム濃度調節やエネルギー産生といった心筋の収縮力を維持するうえで重要な機能を低下させ、心不全発症・進展を促進することが明らかになりました。また、人為的な圧負荷によって心不全の発症を誘導すると、通常のマウスは心不全を発症するのに対し、Angptl2 ノックアウトマウスでは、適度な運動を行った場合の心臓と同様に、心不全の発症が抑制され保護的作用をもたらすことを明らかにしました。そこで、ANGPTL2に対するshRNAを産生できるアデノ随伴ウイルスを作製し、このウイルスを心筋細胞に感染させることでANGPTL2の産生を抑制する遺伝子治療法を開発しました。実際に、心不全モデルマウスでこの遺伝子治療を行ったところ、心筋細胞におけるANGPTL2産生量の増加が抑制され、心臓のポンプ機能低下が抑制されるなど心不全病態の進行を抑制することに成功しました。さらに、ヒトiPS細胞から分化誘導した心筋細胞においても、ANGPTL2産生を抑制することがカルシウム濃度調節やエネルギー産生機能の増進につながることを明らかにしており、ヒト心不全患者に対してもANGPTL2産生を抑制する遺伝子治療が有効である可能性が考えられます。以上の結果から、心不全発症の原因となる加齢や高血圧などの圧負荷によるストレスを受けた心筋細胞から過剰に産生されたANGPTL2が、これまでの慢性炎症の誘導とは全く異なるメカニズムで心不全の発症・進展を促進すること、心筋細胞におけるANGPTL2の産生増加を抑制することが心不全の新たな治療法となることが明らかになりました。
 現在、心不全治療は対症療法が主ですが、心筋細胞でのANGPTL2産生増加を抑制する遺伝子治療は、心機能低下のメカニズムそのものにアプローチする根本治療としての新規心不全治療戦略として期待できるだけでなく、健康長寿社会の実現にも貢献することが期待されます。

Tian Z, Miyata K, Kadomatsu T, Horiguchi H, Fukushima H, Tohyama S, Ujihara Y, Okumura T, Yamaguchi S, Zhao J, Endo M, Morinaga J, Sato M, Sugizaki T, Zhu S, Terada K, Sakaguchi H, Komohara Y, Takeya M, Takeda N, Araki K, Manabe I, Fukuda K, Otsu K, Wada J, Murohara T, Mohri S, Yamashita JK, Sano M, Oike Y. ANGPTL2 Activity in Cardiac Pathologies Accelerates Heart Failure by Perturbing Cardiac Function and Energy Metabolism. Nat. Commun. 2016, 7, 13016. doi: 10.1038/ncomms13016

http://www.nature.com/articles/ncomms13016
西山班員のCHD8による神経分化制御と自閉症に関する研究がNature誌に掲載されました。

 自閉症スペクトラムは他人の気持ちが理解できない等といった社会的相互作用の障害や、決まった手順を踏むことへの強いこだわり、反復・限定された行動などを特徴とする障害です。最近の報告では全人口の約2%が自閉症患者であるとされていますが、その発症メカニズムについては十分に理解されておらず、根本的な治療法は未だ確立されていません。近年の次世代シーケンス技術の発展に伴って、自閉症患者を対象とした大規模なゲノムスクリーニングが行われ、多くの遺伝子変異が同定されました。これらの遺伝子の中で、クロマチンリモデリング因子CHD8は自閉症患者のうち最も変異率が高かったことから、自閉症の有力な原因候補遺伝子とされています。本領域公募班員の西山班員らはこれまでに、世界で初めてCHD8のノックアウトマウスを作製し、CHD8が発生期の器官形成に重要な役割を果たしていることを示してきました。しかし、CHD8の遺伝子変異が、なぜ、どのように自閉症につながるのかという点については、謎のままでした。
 ヒト自閉症患者で発見された変異の多くはヘテロ欠損であったため、本研究グループはCHD8のヘテロ欠損マウスを作製し、その行動を詳細に解析しました。まず社会性およびコミュニケーション能力を調べるために、社会性試験を行いました。CHD8ヘテロ欠損マウスは正常マウスに比べて接触時間は増加しますが、お互いの匂いを嗅いだり追いかけたりというコミュニケーション行動は減少するという異常を示しました。次に、物事に異常なこだわりをもつ固執傾向を評価するT字迷路試験を行いました。するとCHD8ヘテロ欠損マウスは一度覚えたことに対して強いこだわりがみられ、新しいことを受け入れられない様子が観察されました。さらに、不安様行動を調べるために、高架式十字迷路試験を行ったところ、CHD8ヘテロ欠損マウスでは、恐怖を感じる場所である壁のない通路への進入回数と滞在時間がいずれも減少していました。これらの結果から、CHD8ヘテロ欠損マウスは予想通り、ヒト型の自閉症を発症していると考えられ、CHD8が自閉症の原因遺伝子であると結論づけました。
 CHD8はクロマチンリモデリング因子であるため、その変異は遺伝子発現に影響することが予想されます。そこで本研究グループは、CHD8ヘテロ欠損マウスにおけるトランスオミクス解析を行いました。その結果、CHD8ヘテロ欠損マウスにおいて神経発達に重要な制御因子であるRESTの活性が顕著に上昇していることがわかりました。RESTの活性が上昇すると神経発達が障害されることが知られていますが、予想通りCHD8ヘテロ欠損マウスでは神経発達が障害されていることがわかりました。以上の結果から、CHD8は神経発達に重要な制御因子であるRESTの活性を抑制することによって、神経発達を調節していることが考えられます。CHD8に変異が起こると、RESTが異常に活性化することによって神経発達が障害され、その結果自閉症を発症することが明らかになりました。
 本研究では、CHD8の発現量が減少する結果、RESTが異常に活性化していることが明らかとなり、これが発達異常を引き起こしている可能性が高いことが判明しました。つまりCHD8の発現量を上昇させるか、RESTの活性を抑制するかのいずれかで自閉症が治療できる可能性を示すものです。またCHD8ヘテロ欠損マウスは有用な自閉症モデル動物になると考えられます。今後はこのモデルマウスを用いて、自閉症の詳細な発症メカニズムを解明するとともに、自閉症に効果のある薬剤を探索することで、治療への応用を目指していきたいと考えています。

Katayama Y, *Nishiyama M, Shoji H, Ohkawa Y, Kawamura A, Sato T, Suyama M, Takumi T, Miyakawa T, *Nakayama KI. (*corresponding author) CHD8 haploinsufficiency results in autistic-like phenotypes in mice.
Nature, in press. doi:10.1038/nature19357 [Epub ahead of print]

http://www.nature.com/nature/journal/vaop/ncurrent/full/nature19357.html
篠原班員の精子幹細胞の寿命に関する研究がDevelopmental Cell誌に掲載されました。

 精子形成の源である精子幹細胞は、一生にわたって分裂し、毎日膨大な数の精子を作り続けます。幹細胞は精巣に多数あり、精子は複数の幹細胞から産生されますが、個々の幹細胞がその構成にどのように寄与しているかは分かっていませんでした。今回、本領域の篠原班員らのグループは、マウスの精子幹細胞それぞれを識別できるように、ウイルス遺伝子を導入して標識したのち精巣に移植し、ホストマウスから生まれるそれぞれの仔がどの幹細胞から生まれているかを長期にわたって調べました。
 その結果、幹細胞の機能的寿命(精子形成できる期間)は平均124日、最も長い例では482日と極めて長いことが分かりました。一方、同じ幹細胞から重複して仔が生まれる頻度は有意に高く、一部の幹細胞が偏って使われており幹細胞が精子を作る活性には周期があることが数理解析によって分かりました。
 研究グループはさらに、なぜ精子が形成されない幹細胞があるのかを調べました。造血系では幹細胞そのものが分裂せず休止することが知られていますが、分裂によって蛍光タンパク質の発現が半減する変異マウスを用いて幹細胞の分裂速度を測定したところ、精子幹細胞は休止することなく、常に分裂していることが分かりました。一方、精子幹細胞の分化の途中で高い頻度でアポトーシス(細胞死)が起きていることを観察しました。研究グループは、これまで考えられてきたように幹細胞自体の分裂活性が精子形成の効率を決めているのでなく、幹細胞から精子へと分化する過程で、細胞死によって精子形成する幹細胞と、しない幹細胞の選択が起こるのではないかと考えています。
 この成果は、幹細胞間での精子形成効率の競争が子孫の作成に影響していることを示し、遺伝現象の理解に新たな視点を加えるものと期待されます。

Kanatsu-Shinohara M, Naoki H, Shinohara T. Nonrandom germline transmission of mouse spermatogonial stem cells. Developmental Cell 2016; 38 (3): 248-61.

http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1534580716304713
佐藤班員のヒト大腸腫瘍バンクに関する研究がCell Stem Cell誌に掲載されました。

 加齢とともに蓄積する遺伝子変異が大腸腫瘍形成につながることが知られておりますが,ヒト大腸細胞における遺伝子の変化と細胞の腫瘍化に代表される臨床形質の関係を知るためには,ヒト臨床サンプルからの培養系の確立が重要であります.今回、本領域の佐藤班員のグループはヒトの大腸腫瘍を効率的に培養皿で増殖させることに成功し、患者体内の腫瘍と同様な性質を持つ、55種類の腫瘍細胞からなる患者腫瘍バンクを確立しました。研究グループはこれまでの大腸腫瘍細胞の培養技術を改良し,培養皿の上でほぼ全ての大腸腫瘍を永続的に培養することに成功しました。これらの培養細胞を免疫不全マウスへ移植することで,元々の患者体内でみられた組織構造や転移能などを忠実に再現可能であることを実証しました。この成果によって、患者に薬を投与する前に培養皿の中やマウス研究によって治療薬の効果を予測することが可能になり、新しい創薬開発や患者個人の腫瘍に合わせた個別化治療につながることが大いに期待されます。

Fujii M, Shimokawa M, Date S, Takano A, Matano M, Nanki K, Ohta Y, Toshimitsu K, Nakazato Y, Kawasaki K, Uraoka T, Watanabe T, Kanai T, Sato T. A colorectal tumor organoid library demonstrates progressive loss of niche factor requirements during tumorigenesis. Cell Stem Cell. 2016;18(6):827-38.

http://www.cell.com/cell-stem-cell/fulltext/S1934-5909(16)30046-7
田久保班員の老化に関わるストレス応答シグナルと造血幹細胞制御に関する研究がCell Stem Cell誌に掲載されました。

 造血幹細胞は、抗がん剤投与、重症感染症、あるいは造血幹細胞移植といった造血ストレス負荷後には造血システム全体を再構築する機能を果たします。こうしたストレス負荷後の造血システム再構築現象を”ストレス造血”と呼ばれますが、そのメカニズムには不明な点が多く残されており、ステムセルエイジングとの関連も未解明です。今回本領域計画班員の田久保班員らは、西村班員・曽我班員らとともに共同して、ストレス造血の制御機構としてストレス応答分子の一つであるp38αに注目した解析を実施しました。p38αのノックアウトマウス由来の造血幹細胞は移植後の生着率が低下し、明らかにストレスに対して脆弱でした。また、移植後早期に細胞周期進行が遅れることが見出され、これがストレス脆弱性の一因と考えられました。網羅的に細胞内の代謝物を測定するメタボローム解析を実施したところ、移植後のp38α欠損造血幹細胞でプリン体代謝に異常が生じており、プリン体代謝経路の一部であるグアニン合成の律速段階酵素(Impdh2)の発現が移植後に低下していました。そこでImpdh2の発現をp38α欠損造血幹細胞で回復させたところ、細胞周期遅延や移植生着率が有意に回復しました。また、p38αによるImpdh2の発現誘導を仲介する転写因子としてMitfを同定することができました。これらの結果から、ストレス造血において、p38αはMitfを介してプリン体代謝を制御し、最終的には造血幹細胞の細胞周期を進めることで幹細胞性を維持することが明らかになりました。

 過去の報告では、造血幹細胞においてp38αが属するp38MAPKファミリー分子はある種のステムセルエイジングを誘導するなどの好ましくない機能を持つ分子であると考えられてきました。こうした先行研究では造血幹細胞におけるp38MAPKの機能解析は低分子阻害剤やウイルスベクターによるノックダウンで行われていました。今回ノックアウトマウスを用いた精密な検討を実施することで、p38αは定常状態の造血や造血幹細胞維持への寄与は少なく、そのかわりにストレス造血において重要な役割を担うことが明らかになりました。Mitfは皮膚の色素幹細胞システムの維持に重要な役割を果たす分子でもあり、幹細胞システムを維持する共通の分子基盤の一端が明らかになったと考えられます。今回明らかになったストレス下の造血幹細胞におけるp38α-Mitf-Impdh2系を介した増殖制御機構は、幹細胞のストレス応答や加齢変化の理解に新たな視点を加え、様々な病態の理解や新規治療法開発の一助になることが期待されます。

Karigane D, Kobayashi H, Morikawa T, Ootomo Y, Sakai M, Nagamatsu G, Kubota Y, Goda N, Matsumoto M, Nishimura EK, Soga T, Otsu K, Suematsu M, Okamoto S, Suda T, *Takubo K. (*corresponding author) p38α Activates Purine Metabolism to Initiate Hematopoietic Stem/Progenitor Cell Cycling in Response to Stress. Cell Stem Cell 2016 Jun 21. pii: S1934-5909(16)30097-2. doi: 10.1016/j.stem.2016.05.013. [Epub ahead of print]

http://www.cell.com/cell-stem-cell/abstract/S1934-5909(16)30097-2
岩間班員の骨髄線維症に関する研究がJournal of Experimental Medicineに掲載されました。

 千葉大学大学院医学研究院・岩間厚志教授と熊本大学国際先端医学研究機構・指田吾郎特別招聘准教授の研究グループは、高齢者に多いがんの一つであり、有効な治療法がない原発性骨髄線維症の病態を遺伝子改変マウスにおいて再現することに成功し、その解析から発症メカニズムにつながるがん遺伝子発現異常を発見、がん遺伝子の発現を抑える薬剤の治療薬としての有効性を確認しました。原発性骨髄線維症とは、骨髄の中で血小板を作る巨核球と骨髄球系細胞が腫瘍性に増殖して骨髄の線維化と造血障害を生じる血液がんで、脾臓などで異所性の造血をきたします。 65才以上の高齢者に多くみられ、10万人あたり2人以下というまれな疾患ですが、平均生存期間は3年程度であり、主な死因は、感染症、出血と白血病への移行です。病気の原因として、遺伝子変異が知られており、約半数の患者でJAK2キナーゼの活性化変異があり、その他に共存する遺伝子変異としてエピゲノム制御因子であるEZH2TET2遺伝子の変異が知られ、悪性度との関連が言われています。

 本研究においては、JAK2変異体とEZH2変異体の両方をもつ遺伝子改変マウスを作製して、同様の変異を持つ患者と同様に、悪性度の高い骨髄線維症をマウスにて再現することに成功しました。作製した骨髄線維症マウスの造血細胞を採取して、遺伝子発現およびエピゲノム変化を解析し、複数のがん遺伝子候補を含めた243遺伝子の活性化を確認し、このうち患者の腫瘍細胞でも発現上昇が知られるHMGA2などを骨髄線維症のがん遺伝子として同定しました。実際、HMGA2がん遺伝子を造血細胞に強制発現させると、骨髄線維症の病態の一部を再現することに成功しております。こうしたがん遺伝子の発現を抑制するため、遺伝子発現を活性化する機構を抑制するブロモドメイン阻害剤をマウスに投与したところ、骨髄線維症の進行抑制効果が確認されました。今後、既に臨床応用されているJAK2キナーゼ阻害剤との併用効果の確認が興味のあるところであります。

 この研究は、加齢造血幹細胞の特性と加齢関連造血器腫瘍の理解につながる重要な知見です。

Sashida G, Wang C, Tomioka T, Oshima M, Aoyama K, Kanai A, Mochizuki-Kashio M, Harada H, Shimoda K, Iwama A. The loss of Ezh2 drives the pathogenesis of myelofibrosis and sensitizes tumor-initiating cells to bromodomain inhibition. J Exp Med. 2016 Jul 11. pii: jem.20151121. [Epub ahead of print]

http://jem.rupress.org/content/early/2016/07/05/jem.20151121.long