妊婦のマラリア治療を最適化するための新しいエビデンス
-ACTが、推奨治療法キニンより効果的で同等以上に安全であることの証明-
妊婦のマラリア治療を最適化するための新しいエビデンス
-ACTが、推奨治療法キニンより効果的で同等以上に安全であることの証明-
The Lancet Infectious Diseases(2020年4月29日オンライン版(GMT)) DOI番号:10.1016/S1473-3099(20)30064-5
東京大学医科学研究所・附属先端医療研究センターの齋藤真助教は、妊婦のマラリア治療を最適化するための新しいエビデンスに関する調査成果を、オックスフォード大学、抗マラリア薬の臨床エビデンスの構築に取り組む国際組織「The WorldWide Antimalarial Resistance Network (WWARN)」との共同成果として公表しました。アルテメテル-ルメファントリン(AL)(注1)をはじめとする、アルテミシニンをキードラッグとする併用療法(ACT)(注2)が、現在推奨されているキニンをキードラッグとする治療法よりも、かなりの割合で効果的であることを明らかにしたものです。本研究成果は本日29日(イギリス時間)、欧米の医学雑誌「The Lancet Infectious Diseases」に公表されました。

(注1):アルテメテル-ルメファントリン(AL) アルテメテル-ルメファントリンという経口薬で、アルテミシニン併用療法(ACT)の中で、現在世界で最も広く使われている。
(注2):アルテミシニンベースの併用療法(ACTs) 「9.添付資料」の中にある薬草(Artemisia annua)の抽出物を基に開発されたアルテミシニンをキードラッグとし、半減期の長いもう一つの別の作用機序の抗マラリア薬を組み合わせて併用する内服治療法で、非妊婦での熱帯熱マラリアに対する標準治療薬となっている。
プレスリリース