東京大学医科学研究所奨励賞は、本所に在籍する研究者の中から、基礎的及び臨床的研究の発展、あるいは医科学研究の社会的実装や先端的医療の普及などに大きく貢献した若手人材を表彰することで、医科研の活動を社会にアピールするとともに、若手研究者の基礎・臨床研究および社会貢献活動を奨励するために創設されました。
令和4年度奨励賞受賞者の発表
令和4年度奨励賞受賞者には、ヒトゲノム解析センター公共政策研究分野の井上 悠輔博士と、感染免疫部門ウイルス病態制御分野の加藤 哲久博士の2人が選ばれました。
井上博士の受賞理由は、医療現場や一般社会に於ける様々な倫理的・法的・社会的課題に関する研究を行い、生命倫理の確立やガイドライン・法整備に向けた提言を通じて、健全な生命科学の発展・普及に向けた検討に貢献したことです。また加藤博士の受賞理由は、一貫してヘルペスウイルスの研究を行ない、その脳内感染防御におけるTLR3-mTORC2軸の重要性を発見するなど、ヘルペスウイルスの増殖・病態発現機構の解明に大きく貢献したことです。お二人とも、医科学研究所が推進する医科学のための多様な研究分野の発展にとって、重要かつ多くの研究業績を挙げられたことが高く評価されました。
ここに井上・加藤 両博士の活動・業績に対し敬意を表するとともに、奨励賞を贈呈して更なる活躍と研究発展をお祈りいたします。

令和3年度奨励賞受賞者の発表
第1回である令和3年度奨励賞受賞者に、感染症国際研究センターシステムウイルス学分野の佐藤 佳 博士が選ばれました。受賞理由としては、ウイルス学研究において、単にウイルスの研究だけではなく、宿主との相互関係にも着目し、レトロウイルスの起源、進化、宿主との共存、共進化などのメカニズムの解明に迫る独創的な研究を推し進め、学際融合的な「システムウイルス学」の創生に貢献した点が高く評価されました。ここに佐藤博士の活動・業績に対し敬意を表するとともに、奨励賞を贈呈して更なる活躍と研究発展を期待いたします。
