Research Project

ヒト受精胚ゲノム編集

平成31年度 成育疾患克服等総合研究事業-BIRTHDAY
「生殖補助医療研究におけるヒト受精胚または配偶子の遺伝子改変を伴う基礎研究に対する倫理社会的問題の実態調査と倫理的課題を考慮した研究手法の提案」
(研究代表者:国立成育医療研究センター・阿久津英憲、研究分担者:神里彩子)

近年、遺伝子関連技術の急速な進展に伴い、ヒト受精胚にゲノム編集技術その他の遺伝情報改変技術等を用いる基礎的研究、および、臨床応用における倫理的諸課題への対応が急務となっています。そのため、内閣府・生命倫理専門調査会では、議論を重ね、第1次~第3次報告を出してきました。そして、それに基づいて、関係省庁では「ヒト受精胚に遺伝情報改変技術等を用いる研究に関する倫理指針」の制定や改正、また、「ヒト受精胚の作成を行う生殖補助医療研究に関する倫理指針」の改正が行われています。

当研究室では、「ヒト受精胚に遺伝情報改変技術等を用いる研究に関する倫理指針」(2019年4月1日、公布・施行)について研究者が理解を深められるよう、指針の対象範囲、研究体制と倫理的な配慮、研究実施における手続き、改正指針における注意点などについて解説した動画を制作しました。さらに、令和3年及び4年の改正にも対応するための改修も行いました。この動画は、文部科学省に採用され、同省HP「ライフサイエンスの広場」にも掲載されています。

動画教材より

動画教材より

「ヒト受精胚に遺伝情報改変技術等を用いる研究に関する倫理指針」が適用される研究は2022年3月末現在1件も申請されていませんが、今後、申請される可能性があります。その際には、ヒト受精胚のドナー候補となるご夫婦に対して、ヒト受精胚の研究利用について説明し、同意が得られなければなりません(インフォームド・コンセント)。しかし、説明しなければならない事項は、指針のほか、そのガイダンスを詳細に理解しないと網羅できません。そこで、当研究室では、説明事項のチェックリストを含む「IC作成上の留意事項」と説明文書の雛形案を作成しました。

調査研究

説明書雛形案の表紙

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東京大学 医科学研究所 生命倫理研究分野