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国際連携によるがん全ゲノムの大規模解析 -次世代のがんゲノム医療の解析基盤構築に貢献-

国際連携によるがん全ゲノムの大規模解析 -次世代のがんゲノム医療の解析基盤構築に貢献-

Nature 特集号 2月6日オンライン公開
The ICGC/TCGA Pan-Cancer Analysis of Whole Genomes Consortium,Esther Rheinbay, et al. ,Nicola D Roberts, et al. ,Yuan Yuan, et al.
Pan-cancer analysis of whole genomes,Analyses of non-coding somatic drivers in 2,658 cancer whole genomes,Patterns of somatic structural variation in human cancer genomes,Comprehensive Molecular Characterization of Mitochondrial Genomes in Human Cancers

理化学研究所(理研)生命医科学研究センターがんゲノム研究チームの中川英刀チームリーダー、東京大学医科学研究所健康医療データサイエンス分野の井元清哉教授らを含む国際共同研究グループは、38種類のがんについて、2,800例以上の全ゲノムシーケンス解析を行った結果、4,600万個を超える変異・異常を同定し、その特徴を明らかにしました。本研究は、国際的連携による全ゲノムがん種横断的解析プロジェクト(PCAWG)の一環として行われ、これまでで最も網羅的かつ詳細ながんゲノム情報の解析となりました。
本研究によるゲノム解析基盤の手法とデータ・結果は、次世代のがんゲノム医療や研究における解析基盤の構築に貢献すると期待できます。
今回、PCAWGでは、38種類、2,800例以上に及ぶがんの全ゲノム塩基配列(シーケンス)情報を収集しました。東京大学医科学研究所のスーパーコンピュータ「SHIROKANE」を含む世界10カ所のデータセンターを連結し、標準化された高精度のゲノム解析手法を構築した上で、がん全ゲノムシーケンスの大規模解析を行いました。その結果、非コード領域の変異、大きなゲノム構造異常、ミトコンドリアゲノム異常など、合計4,600万個以上の変異・異常を同定、それらの特徴を明らかにすることで、これまでで最も網羅的かつ詳細ながんゲノムマップを作成しました。
本研究は、科学雑誌『Nature』(特集号)の掲載に先立ち、オンライン版(2月6日付:日本時間2月6日)に掲載されました。