急性骨髄性白血病を促進する新たな分子メカニズムの解明(変異型ASXL1とBAP1が形成するポジティブ・フィードバック・ループによる白血病発症促進機構の解明)
急性骨髄性白血病を促進する新たな分子メカニズムの解明(変異型ASXL1とBAP1が形成するポジティブ・フィードバック・ループによる白血病発症促進機構の解明)
Nature Communications 7月16日オンライン版掲載
近年の遺伝子解析技術の発達により、造血器腫瘍における様々な遺伝子変異が同定されてきた。ASXL1は骨髄性腫瘍で高頻度に変異を認める遺伝子であり、その変異は予後不良因子であることが知られている。しかしながら、ASXL1変異が白血病発症を促進する分子メカニズムは明らかではなかった。
今回、東京大学医科学研究所の北村俊雄教授、合山進准教授、浅田修平特任研究員のグループは、変異型ASXL1がBAP1と協調して急性骨髄性白血病を促進する分子メカニズムを明らかにした。また、ASXL1変異を持つ白血病細胞やHOXA遺伝子が高発現している白血病細胞に対し、BAP1の阻害が強い治療効果を示すことを見出した。これらの研究成果は、今後、急性骨髄性白血病に対するBAP1を標的とした新規治療戦略の開発につながることが期待される。
詳細PDF