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医科研開発シーズ

医科研病院とトランスレーショナルリサーチ


 東京大学医科学研究所および附属病院では、全国に先駆けて先端医療の開発体制を整備し、基礎研究を臨床応用へと橋渡しするトランスレーショナルリサーチ(Translational Research: TR)を実施してきました。

ウイルス療法・遺伝子治療

 医科学研究所附属病院では、1998年に日本で初めての癌の遺伝子治療として腎臓癌を対象とした臨床試験が実施されました。2001年には、ベクターや遺伝子組換えウイルスを製造することのできる治療ベクター開発センターが設置されました。ウイルスゲノムを遺伝子工学的に改変し、癌細胞でのみ増殖するウイルスを作成してがんの治療に応用するウイルス療法としては遺伝子組み換え単純ヘルペスウイルス(G47Δ)の開発が進んでおり、医科学研究所での悪性脳腫瘍である進行性膠芽腫を対象した医師主導治験を経て、承認申請がなされる予定です。また、嗅神経芽腫と悪性胸膜中皮腫を対象とした臨床研究も実施されています。
さらに、G47Δに免疫応答を高めるIL-12産生遺伝子を組み込んだTh-IL12を悪性黒色腫にもちいる医師主導治験も実施されています。
これらの遺伝子組み換えウイルスは、医科学研究所附属病院の治療ベクター開発センターで製造されています。

再生医療

 近年、幹細胞を特定の働きを持つ細胞に分化させ、その細胞を使って壊れたり失われたりした細胞や組織、臓器を修復する再生医療が脚光を浴びています。
医科学研究所附属病院では、自己骨髄由来間葉系幹細胞を用いた歯槽骨再生療法の臨床試験が実施され、現在は、臍帯由来間葉系細胞を造血細胞移植後急性移植片対宿主病(GVHD)に用いる医師主導治験が実施されています。こうした臨床試験あるいは治験で使用される細胞は、院内にある東大医科研細胞リソースセンターで、法令や指針に対応する形で調製されています。
また、無菌試験、マイコプラズマ否定試験、エンドトキシン試験といった細胞製剤の安全性試験も、自施設で実施できる体制を整備しています。

ワクチン療法・抗体療法

 細胞療法を含むワクチン療法は、患者さん自身の免疫力(細胞性免疫)を高めて、病原性微生物の感染や増殖を抑えたり疾患細胞を破壊したりする免疫療法です。医科学研究所附属病院では、HIVやインフルエンザウイルス、コレラ菌などの感染症の予防や治療に役立つワクチンの開発に携わってきました。また、悪性黒色腫や消化器癌といった種々の悪性腫瘍に対するワクチン療法を開発し、臨床試験あるいは医師主導治験を実施しています。
抗体療法は、疾患細胞表面の特定分子に結合する抗体が、疾患細胞を攻撃したり、炎症や疾患細胞の増殖を引き起こす因子を阻害したりして、効果を発揮します。医科学研究所附属病院では、これまでに悪性中皮腫に対する抗体療法や、自己免疫疾患に対する抗体療法開発を支援してきました。
こうした経験を踏まえて、医科学研究所附属病院では新たなワクチンや抗体医薬の開発に取り組み、難治癌や免疫性疾患、炎症性疾患などの治療に結び付けたいと考えています。

開発中のシーズ

 医科学研究所で開発が進んでいるシーズをご紹介いたします。

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