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公募班員紹介

腸内細菌叢がもたらす宿主細胞老化機構の解明

福田 真嗣(慶應義塾大学先端生命科学研究所 特任准教授)
福田 真嗣
福田 真嗣
ヒトの腸管内には数百種類以上で100兆個にもおよぶ腸内細菌が生息しており、これまでの研究で腸内細菌叢から産生される様々な代謝物質が、われわれの体に作用することを明らかにしてきた(Nature 2011; Nat Commun 2013; Nature 2013)。本研究では、これまで異種生物と考えられてきた腸内細菌叢を一つの臓器と捉え、そこから産生される代謝産物のうち老化促進に関与する因子について、無菌マウスや腸管オルガノイド培養技術を駆使して包括的に解析し、腸内細菌叢由来代謝物による幹細胞老化機構を明らかにする。最終的には腸内細菌叢の人為的修飾による幹細胞老化制御法の構築を目指す。腸内細菌叢のバランスの乱れがもたらす疾患関連代謝物質の産生は、腸管上皮幹細胞の老化に伴う大腸がんや炎症性腸疾患などの腸管関連疾患だけでなく、血中への移行に伴った細胞老化に起因する全身性疾患にも繋がると考えられる。従って本研究課題の遂行は、加齢に伴った疾患の先制医療を目指した基盤技術の礎となると共に、予防医学や健康増進の見地に立った機能性食品開発にも応用でき、それらの摂取によるセルフメディケーションにも繋がると考えられる。

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