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公募班員紹介

腸管神経系の組織恒常性維持機構の解明

上坂 敏弘(神戸大学 医学系研 講師)
上坂 敏弘
上坂 敏弘
全身に投射、分散している神経線維上に存在するグリア細胞は、ニューロンに対し、構造的な支持をするだけでなく、栄養・成長因子の供給などの化学的な支持をすることが主な役割と考えられてきました。しかし近年、神経系だけでなく、間葉系幹細胞など他の周辺組織に対して、成長因子などによるパラクライン作用を有すること、そして様々な細胞に分化できる神経堤幹細胞的な性質を内包した細胞であることが明らかになってきています。グリア細胞は正常時において静止状態にあると思われていますが、腸管粘膜において恒常的に置換されていることが見出されました。本研究では、遺伝子改変マウスを駆使し、腸神経系の二つのグリア細胞系譜(迷走神経堤由来、外来神経線維に付随した細胞)を注視して、腸におけるグリア細胞の機能、役割を解明するとともに、炎症が慢性化した状態や加齢の過程でのグリア細胞の機能不全、異常に陥るメカニズムの解明を目指します。