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公募班員紹介

炎症性因子による造血幹細胞老化のメカニズム

滝澤 仁(熊本大学 准教授)
滝澤 仁
滝澤 仁
老化は病的でないレベルの慢性炎症を伴う。慢性炎症の細胞癌化への関与は研究が進む一方、細胞老化と炎症の関連性についてはほとんど分かっていない。感染により惹起される炎症反応が末梢組織に局在する免疫細胞の機能活性化のみならず、骨髄で維持される造血産生の源である造血幹細胞(HSC)を直接活性化し、増殖ストレスを含む幹細胞老化に類似した機能変容を引き起こすことを明らかにしつつある。これらの結果を老化が病的でないレベルの慢性炎症を伴う事実と考え合わせると、炎症ストレスが老化の一因とする『炎症性老化』仮説が導かれる。本研究では、炎症ストレスがHSC機能恒常性を変容させ、HSC老化を引き起こす炎症性老化のメカニズムを解明する。さらに、HSCの悪性転換、結果的に腫瘍化に至る過程における炎症性因子の役割を明らかにする。加齢変化の新たな特性として慢性炎症に注目し、老化と炎症モデルの相互比較から幹細胞老化の本質理解及び先制医療に向けた新たな老化予防法の確立を目指す。

研究室ホームページ

http://ircms.kumamoto-u.ac.jp/research/hitoshi_takizawa/