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計画班員紹介

ニッチ-幹細胞相互作用による 造血系抗老化システムの解明

代表者:田久保 圭誉(国立国際医療研究センター研究所)
田久保 圭誉
田久保 圭誉
体性幹細胞は周囲の微小環境(ニッチ)によって制御されることでその機能を発揮して、臓器や個体の恒常性が維持される。定常状態のニッチの同定は進んでいるが、加齢に伴うニッチの変容や、その結果いかなる影響が幹細胞に及ぶか不明である。本研究では、複数のニッチが重層的に幹細胞に作用する造血幹細胞システムをモデルとしてこの問題に挑む。これまでに、幹細胞の代謝特性が幹細胞維持に重要で、特に骨髄造血幹細胞システムでは、低酸素ニッチが幹細胞の解糖系を主とした嫌気的なエネルギー代謝特性を誘導し、細胞周期の静止期性を維持して細胞老化を抑止することを見出した (Cell Stem Cell 2010; 2013)。さらに、分化した血球細胞である巨核球がサイトカインを供給する新たな造血幹細胞ニッチとして働くことを見出している。そこで本研究では、加齢に伴う各種骨髄ニッチ細胞(血球細胞、間葉系細胞)やニッチ因子(サイトカイン、分子状酸素や代謝産物)の量的・質的な変容と、その造血幹細胞への影響を明らかにする。さらに、ニッチ-幹細胞間相互作用の変化や造血幹細胞の動態、メタボロームの変容を解明する。これらの解析を通じてステムセルエイジングにおけるニッチの加齢変化の意義を解明する。

研究室ホームページ
http://www.rincgm.jp/department/pro/04/