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新学術領域「幹細胞老化と疾患」国際活動支援 派遣報告

訪問者:京都大学iPS細胞研究所 未来生命開拓部門 Mア研究室 研究員 伊藤 健
訪問先:ドイツDRFZ(Deutsches Rheuma-Forschungszentrum)
期 間:2017年11月18-26日
目 的:中枢リンパ組織(骨髄と胸腺)におけるストロマ細胞の加齢変化に関わる研究の推進
 この度、ドイツのベルリンにあるDRFZ(Deutsches Rheuma-Forschungszentrum)の常世田好司先生の研究室に、11月18日〜11月26日の日程で派遣される機会を頂きました。私が所属するMア研究室では、胸腺上皮幹細胞の早期老化機構を中心に、中枢リンパ臓器である胸腺や骨髄の加齢変化と、それがもたらす免疫システム全体への影響について研究を行っています。常世田先生の研究室では、造血のみならず免疫応答や免疫記憶における骨髄の役割について、微小環境の機能も含めて精力的に研究を行っておられます。そこで今回、胸腺と骨髄のストロマ細胞の役割やその加齢変化の類似点と相違点などについて議論し、現在私が取り組んでいる2つの主なテーマについて今後共同研究を進めていくことを目的として訪問しました。常世田研ラボメンバーの前で研究内容を発表させていただく機会を頂き、大変活発な議論ができたことは大きな刺激となりました。また、テーマ個別のディスカッションでは、今後の実験の方針および様々なマテリアルや手技について、メールのやり取りだけでは得られない詳細な内容に至るまで教えていただくことができ、また普段と異なる視点からの多くのフィードバックを得ることができ、今後の方向性が明確になりました。さらに、ドイツの研究室の雰囲気を体感することができたことも私にとって非常に大きな収穫でした。実験前後に行うディスカッションを重視し、さらには、投稿前に他の研究室とも論文の詳細な点について建設的な議論をすることで、既にある程度レビューされている状態にできる環境には驚きました。この度のドイツ訪問は、今後の私の研究姿勢について大きな影響を与えるものになったと思います。この機会を生かして、研究をより推進し成果を結実させたいと思います。また、この度の訪問をサポートして下さった本新学術領域、そして受け入れ頂き多くを学ばせてくださった常世田先生に心より御礼申し上げます。
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