発表のポイント |
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発表者
佐藤 佳(東京大学医科学研究所 附属感染症国際研究センター システムウイルス学分野准教授)※研究コンソーシアム「The Genotype to Phenotype Japan (G2P-Japan)」(注1)メンバー
佐藤 佳(東京大学医科学研究所 附属感染症国際研究センター システムウイルス学分野 准教授)
齊藤 暁(宮崎大学 農学部獣医学科 獣医微生物学研究室 准教授)
高折 晃史(京都大学大学院医学研究科 内科学講座血液・腫瘍内科学 教授)
白川 康太郎(京都大学大学院医学研究科 内科学講座血液・腫瘍内科学 助教)
徳永 研三(国立感染症研究所 感染病理部 主任研究官)
発表概要
東京大学医科学研究所 附属感染症国際研究センター システムウイルス学分野の佐藤准教授が主宰する研究コンソーシアム「The Genotype to Phenotype Japan (G2P-Japan)」は英国の研究グループとの共同研究により、新型コロナウイルスの「懸念すべき変異株」である「インド株(B.1.617系統)」に存在するスパイクタンパク質の「L452R変異」および「E484Q変異」はそれぞれ中和抗体感受性を減弱させるが、両変異の組み合わせによる相乗的な効果はなく、相加的な抵抗性は示さないことを明らかにしました。本研究成果は2021年7月14日、米国科学雑誌「The Journal of Infectious Diseases」オンライン版で公開されました。
発表内容
発表雑誌
雑誌名:「Journal of Infectious Diseases」7月14日オンライン版
論文タイトル:SARS-CoV-2 B.1.617 mutations L452R and E484Q are not synergistic for antibody evasion
著者:Isabella Ferreira#, Steven Kemp#, Rawlings Datir#, 齊藤暁, Bo Meng, Partha Rakshit, 高折晃史, 小杉優介, 瓜生慧也, 木村出海, 白川康太郎, Adam Abdullahi, The CITIID-NIHR BioResource COVID-19 Collaboration, The Indian SARS-CoV-2 Genomics Consortium (INSACOG), Anurag Agarwal, 大園誠也, 徳永研三, The Genotype to Phenotype Japan (G2P-Japan) Consortium, 佐藤佳*, Ravindra K. Gupta*
(#Equal contribution; *Corresponding authors)
DOI: 10.1093/infdis/jiab368
URL:https://academic.oup.com/jid/advance-article/doi/10.1093/infdis/jiab368/6321359
論文タイトル:SARS-CoV-2 B.1.617 mutations L452R and E484Q are not synergistic for antibody evasion
著者:Isabella Ferreira#, Steven Kemp#, Rawlings Datir#, 齊藤暁, Bo Meng, Partha Rakshit, 高折晃史, 小杉優介, 瓜生慧也, 木村出海, 白川康太郎, Adam Abdullahi, The CITIID-NIHR BioResource COVID-19 Collaboration, The Indian SARS-CoV-2 Genomics Consortium (INSACOG), Anurag Agarwal, 大園誠也, 徳永研三, The Genotype to Phenotype Japan (G2P-Japan) Consortium, 佐藤佳*, Ravindra K. Gupta*
(#Equal contribution; *Corresponding authors)
DOI: 10.1093/infdis/jiab368
URL:https://academic.oup.com/jid/advance-article/doi/10.1093/infdis/jiab368/6321359
用語解説
(注1)研究コンソーシアム「The Genotype to Phenotype Japan (G2P-Japan)」東京大学医科学研究所 システムウイルス学分野の佐藤准教授が主宰する研究チーム。日本国内の複数の若手研究者・研究室が参画し、研究の加速化のために共同で研究を推進している。
(注2)新型コロナウイルスのスパイクタンパク質
新型コロナウイルスが細胞に感染する際に、新型コロナウイルスが細胞に結合するためのタンパク質。現在使用されているワクチンの標的となっている。
(注3)感染受容体結合部位
新型コロナウイルスが細胞に感染する際に、新型コロナウイルスのスパイクタンパク質が細胞上の感染受容体に結合するための部位。
(注4)懸念すべき変異株
新型コロナウイルスの流行拡大によって出現した、顕著な変異を有する変異株のこと。"Variants of concern"の和訳。現在までに、イギリス株(B.1.1.7系統、アルファ型)、南アフリカ株(B.1.351系統、ベータ型)、ブラジル株(P.1系統、ガンマ型)、カリフォルニア株(B.1.427/429系統)、インド株(B.1.617系統、デルタ型)が、「懸念すべき変異株」として認定されている。伝播力の向上や、免疫からの逃避能力の獲得などが報告されている。カリフォルニア株(B.1.427/429系統)は「懸念すべき変異株」のひとつであり、L452R変異を持つ。昨年末に米国カリフォルニア州で出現し、今年初めに流行拡大したが、その後、この株の流行は収束した。インド株(B.1.617系統;デルタ型)は、もっとも最近「懸念すべき変異株」に登録された株であり、L452R変異を持つ。今年3月に、インドでの感染爆発で出現した。現在、日本を含めた世界中に伝播し、流行拡大が続いている。
(注5)液性免疫(中和抗体)
獲得免疫応答のひとつ。B細胞によって産生される中和抗体による免疫システムのこと。
問い合わせ先
<研究についてのお問い合わせ>
東京大学医科学研究所 附属感染症国際研究センター システムウイルス学分野
准教授 佐藤 佳(さとう けい)
https://www.ims.u-tokyo.ac.jp/SystemsVirology/
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Twitter:https://twitter.com/SystemsVirology
<報道についてのお問い合わせ>
東京大学医科学研究所 国際学術連携室(広報)
https://www.ims.u-tokyo.ac.jp/imsut/jp/index.html
宮崎大学 企画総務部 総務広報課
https://www.miyazaki-u.ac.jp/
京都大学 総務部広報課国際広報室東京大学医科学研究所 附属感染症国際研究センター システムウイルス学分野
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