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東京大学医科学研究所―微生物化学研究所 連携研究キックオフシンポジウム 挨拶

東京大学医科学研究所―微生物化学研究所 連携研究キックオフシンポジウム 挨拶

2012年10月03日

 本日はお忙しい中、大勢の方々にお集まり頂き、誠にありがとうございます。
 この度、東京大学医科学研究所は公益財団法人 微生物化学研究会 微生物化学研究所と連携研究を開始するに当たり、それを記念して、本日キックオフシンポジウムを開催することとなりました。ここに至るまでにご尽力を頂きました野本先生、柴崎先生を始めとする多くの方々に厚く御礼を申し上げます。
 微生物化学研究所は野本先生ご自身も医科研にいらしたことがあり、医科研に一番近い研究所として、個々の研究者の間では親密な関係を続けてまいりました。その関係をさらに組織的に発展させようと、2年ほど前、野本先生と清木前所長により両研究所で、がん、感染症・炎症・免疫研究を中心とした共同研究拠点を構築することが提唱されました。その点に関しては、野本先生からもこの後お話があるかと思います。以来、両研究所においては、それぞれの研究所の特徴を生かした連携の形を模索し、今日までまいりました。
微生物化学研究所は、この後、高橋知財部長様より詳しいご説明があると思いますが、感染症、炎症性疾患、がん等に焦点を当てて創薬を目指し、天然物からの化合物の探索を行うことで非常に有名な研究所です。一方、医科研は、これも後ほど三宅副所長から詳しく説明があると思いますが、やはり感染症、炎症性疾患、がん等を標的とした創薬を目指した研究は、北里柴三郎先生が設立された伝染病研究所から本年まで120年間、当研究所の目標の1つとして永久不変です。両研究所は創薬という点では共通のゴールを共有していますが、そのアプローチの仕方は、両研究所の歴史、特徴、取り巻く環境などから、おのずと異なっております。医科研では、病気を見据えた生命現象の真理を解析・理解する基礎研究、スーパーコンピューターなどを用いた網羅的解析、そして附置研究所として唯一病院を備えていますので、医科研の研究成果を臨床の場へ応用する橋渡し研究を推進しております。
 今回2つの研究所が連携研究を開始することで、それぞれの研究所の特徴が結び付けられ、独自に創薬を目指してきた研究の融合により、今、日本、そして世界から求められている革新的創薬への大きな貢献が期待されます。また、両研究所の学生、若手研究者にとって、この融合が彼らの視野を広げる大きなチャンスとなる事を期待しています。
 今日ここにスタートを切る新たな連携研究が、双方の研究所を発展させ、新たな創薬の道を切り開くことを心より望んでいます。どうぞよろしくお願い申し上げます。