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第42回東京大学医科学研究所創立記念シンポジウム所長挨拶

第42回東京大学医科学研究所創立記念シンポジウム所長挨拶

2015年06月02日

皆様、東大医科研にようこそお越しくださいました!
本日「第42回東京大学医科学研究所創立記念シンポジウム」を開催させていただきますことを心から嬉しく思います。私は東京大学医科学研究所(IMSUT)の所長をつとめます村上善則と申します。
はじめに、所を代表いたしまして、5名の著名な先生方に医科研にお越しいただき、ご講演いただきますことに厚く御礼申し上げます。また、ご参集の皆様、特に退職教職員や卒業生の皆様にお集まりいただいたことに感謝いたします。

この場をお借りしまして、所と本シンポジウムについて簡単にご説明いたします。ご存知の方も多いかと思いますが、医科研は123年前の1892年(明治25年)に北里柴三郎博士によって伝染病研究所(IID)として設立されました。その後、日本における公衆衛生の向上と疾患の変遷に伴い、伝染病研究所から現在の医科学研究所として生まれ変わりました。以降、感染症のみの研究から、がん、ゲノム、基礎医科学、システム生物学、再生医療、トランスレーショナルリサーチ(TR)などの新しい医学分野を取り込んだ現在の形へと発展してきました。現在、医科研は3つの基幹研究部門、6つの基盤研究センターと日本で唯一の研究所病院を有しております。6基盤研究センターの一つが中内啓光教授率いる幹細胞治療研究センターです。中内先生は東大のクロスアポイントメント制度を利用して、米国スタンフォード大学の教授を併任されています。

創立を記念し、また医科研の長きにわたる歴史と、最先端の研究・医療に向けた絶え間ない挑戦を称えるため、毎年「東京大学医科学研究所創立記念シンポジウム」を開催しており、今年で42回目を迎えます。シンポジウムの運営委員会が選定した今年のテーマである再生医療は、申すまでもなく基礎医科学と応用医科学の両方で最も注目されている分野です。皆様ご存知のとおり、2006年と2007年に山中伸弥教授がiPS細胞を開発し、2012年にはノーベル医学生理学賞を受賞されたからです。そこで本日、当該分野を代表する5名の先生方にご登壇いただきますことを大変光栄に存じます。

慶應義塾大学医学部生理学教室の岡野栄之博士には精神・神経系疾患の再生医療について、理化学研究所多細胞システム形成研究センターの高橋政代博士は網膜再生とその臨床応用について、東京女子医科大学先端生命医科学研究所の岡野光夫博士には細胞シートと臨床応用についてお話しいただきます。さらに、医科研の中内啓光博士と大津真博士には臓器再生と造血再生についてそれぞれお話しいただきます。先生方の講演はご参加の皆様、特に医科研の若手研究者を力強く鼓舞するものであり、最先端の研究と医療に向けた我々のチャレンジ精神をさらに躍進させてくれることと確信しております。私自身、がんゲノム、がん生物学を研究しておりますので、再生医療には大きな関心を寄せております。本日は若手科学者の一人となって、著名な先生方による講演を楽しみにしております。

5名の登壇者の皆様に改めて御礼申し上げます。そして、皆様、改めまして、ようこそ医科研にお越しくださいました。ただ今より「第42回東京大学医科学研究所創立記念シンポジウム」を開催いたします。