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東大フォーラム2011「生命システム・ゲノム医科学フォーラム」パリ会場「感染と免疫:感染制御-未来に向けて-」開会式挨拶

東大フォーラム2011「生命システム・ゲノム医科学フォーラム」パリ会場「感染と免疫:感染制御-未来に向けて-」開会式挨拶

2011年10月18日

ご来場の皆様、本日はようこそおいで下さいました。

まずは、東大フォーラムの一環として本日日仏合同フォーラム「感染と免疫:感染制御‐未来に向けて-」をパリで開催するに当たり継続的なご協力と暖かなご支援を頂きましたパスツール研究所のAlice Dautry所長に心より厚く御礼申し上げます。

"Tōdai"とは東京大学の日本語の略称で、このフォーラムは「東大(Tōdai)フォーラム」と銘打たれ、東京大学の様々な分野での最先端の研究成果の一端を国際的にご紹介する場となっています。東大フォーラムは2000年に第1回目が開催されました。その後ほぼ2年毎に、毎回、東大と重要なパートナーシップ関係にあり、今後更にその関係が発展していくことを期待される国を開催国に選んで開催しております。

今回は感染・免疫分野における最先端の話題に焦点を当て、サイエンスと歴史的立場から見ても開催地として実にふさわしいパスツール研究所を会場として、ご一緒にこのフォーラムを企画・開催できること、我々東大医科研は大変嬉しく思っております。パスツール研究所と医科研の間では、過去に、数年前に医科研を退職された御子柴克彦名誉教授がパスツール研究所にてポスドクの期間を過ごされましたし、また、北里柴三郎が本研究所の前身である伝研を設立した時代には、パスツール研究所、独・ベルリンのコッホ研究所とともに感染症研究における世界3大先端研究所と称されていました。ルイ・パスツールの胸像が医科研所長室に隣接する会議室にも飾ってあります。従って、2006年にパスツール研究所との間で正式に国際学術協定が締結されたのも、歴史的にもまったく自然な流れと言えます。協定締結後、相互に研究者を招へいする形で何度か合同シンポジウム、セミナーを開催してきました。また、医科研から少なくとも2名が現在パスツール研究所にポスドクとしてお世話になっております。そして本日のフォーラムは、両研究所の密接な関係のより具体的な成果とも言えるでしょう。

来年2012年は、医科研が伝研として歩みだしてから数えて120年、そして1967年に医科研に改組されてから45年の節目の年となります。また、さらに5年後の2017年にはそれぞれ125周年と50周年を迎えます。しかしながら、医科研はこの長い伝統に胡坐をかくことなく、これまでの歴史的蓄積や最先端研究成果はさらに輝かしい未来の為の準備期間または跳躍台であると考え、日々前進していく所存であります。このような大切な節目を迎えるに当たり、125周年と50周年を目指した「IMSUT 125-50 (One to Gogo)プロジェクト」を立ち上げ、本研究所の組織としての在り方を再考し、次世代に向かって進化することが大切です。医科研の継続的発展を支援するパートナー的組織(Research and Clinical Foundation)の設立も計画しています。本日のフォーラムも、我々の現時点での研究成果のレベルを世界のレベルと比較できる良い機会となります。
本日は、感染と免疫に関連する各分野の著名な研究者の方々、また将来有望な若手研究者の方々による素晴らしい発表が多数あると期待しております。研究成果をご披露下さる発表者の方々、および何カ月も前から今日の日の為に準備を進めて下さった裏方のスタッフの皆様に心より感謝申し上げます。
本フォーラムが皆さんにとって実り多き日仏交流の機会となることを願い、これを持ちましてご挨拶とさせて頂きます。

ご清聴ありがとうございました。