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第10回日中連携研究室運営委員会挨拶

第10回日中連携研究室運営委員会挨拶

2011年09月28日

各位下午好!(Good afternoon)
本日はお忙しい中ご参加いただき、ありがとうございます。
また、本日の運営委員会の準備にご尽力いただきました中国科学院微生物研究所黄所長及び教職員の皆様に医科学研究所を代表しまして御礼申し上げます。

ご存知の通り、この日中連携プログラムは2005年に中国科学院微生物研究所前所長・高福教授、中国科学院生物物理研究所前所長・饒子和教授、医科学研究所・岩本愛吉教授および前所長・山本雅教授らのリーダーシップのもとに立ちあげられました。2010年3月に第1期を終了し、現在第2期目に入っております。関係者の皆様の継続的なご協力とご支援にお礼を申し上げますと共に、当初のプログラム立ち上げメンバーに改めて、その先見性も含めて感謝の意を表したいと思います。

来年2012年は、医科研が伝研として歩みだしてから数えて創立120周年、そして医科研に改組され、感染症だけでなく癌、免疫疾患、ゲノム医学、iPS細胞再生医療などの分野においても広く社会に貢献するようになって45周年の、節目の年となります。このような大切な節目を迎えるに当たり、我々は"IMSUT Gogo"をスローガンに、医科学研究分野のトップを目指し、所内一丸となって日々努力をしております。さらに5年後、それぞれ125周年、50周年を迎える2017年までに医科研をより一層進化・発展させ、世界の医科学研究のリーダー的存在になることを目標としています。

 さて、医科学研究所が恒常的に進化・発展し医科学研究分野の頂点に立つ為に必要な5つのポイントを是非この機会にご紹介させて頂きたく思います。この5つのポイントは"IMSUT Gogo"の骨子となるものです。日本語の数字の"5 (Go)"という発音を英語の"Go"に掛けています。

1. 次世代を担う一流基礎研究者のリクルート
2. 次世代を担う一流臨床研究者のリクルート
国際的競争力のある最先端医科学研究機関として継続的に進化・発展していくためには、次世代を担う一流の基礎および臨床の研究者をリクルートすることが最重要課題であることは言うまでもありません。

3. 医科研の発展を支援するパートナー的組織・機構(Research and Clinical Foundation)の設立
世界的に卓越した医科学研究機関として国際的競争に打ち勝ち、頂点に立つためには、法人化後にも立ちはだかる様々な規制・制限を克服し、当研究所の発展を継続的に支援するパートナー組織・機構が必要と考えています。この組織の仮称を"IMSUT Research and Clinical Foundation"または"RCF"とし、医科学研究所のパートナー組織として資金調達と支援、優秀な人材確保と派遣、基礎および臨床研究支援、病院関連業務・事務業務支援などに柔軟に対応していくシステムの設立を目指していきたいと思います。このようなシステムの確立が、この日中連携プログラムにも良い影響を与えていくと信じています。

4. 疾病指向型研究の継続的発展をサポートするバイオバンク・リソースシステムの強化
継続的に最先端研究を推進する為には、実験動物、組織、細胞、ウイルス、バクテリア、遺伝子などにはじまりタンパク質・化合物ライブラリーシステムも含めたバイオバンク・リソースシステムを強化していかなければなりません。特に最新の技術によって作成された遺伝子組み換えモデル動物およびiPS/幹細胞に基づいた大小の実験動物モデルを作製そして飼育し、癌・腫瘍、感染症、免疫病を克服し、新規予防・治療に結びつく先導的研究が推進できる新実験動物施設の建設を最優先事項として進めていきたいと考えています。また同時に、我々日中連携研究室のメンバーを含む全世界の優秀な科学者や学生を集結させることのできる国際的研究拠点システムの構築も視野に入れています。

5. 世界に開かれた医科学研究所として頂点を目指す
世界の研究者・科学者たちが一流と認める医科学研究機関になるためには、国際化にもさらに力を入れていかなければなりません。現在も国際化に向けて努力はしておりますが、日本の最高学府である東京大学の附置研究所として、さらなる国際化に向けてより一層力を合わせ、努力していかなければなりません。そのためには、世界中の優秀な研究者・学生たちを引きつけ、是非とも医科学研究所で研究をしたいと思わせる国際感覚に富んだ魅力と環境がなければなりません。また、逆に医科学研究所で切磋琢磨した優秀な研究者達を世界的に評価の高い大学や研究機関に積極的に輩出していくことも重要となります。このような双方向の国際的研究環境をこの白金台キャンパスで築きあげていく必要があるのです。
来年は、5年後の125周年と50周年を目指して医科研を改革すべく、また、世界の頂点を目指す第一歩として、「125-50 (One to Gogo)プロジェクト」を始動致します。もちろん、日中連携プログラムもこの125-50プロジェクトにおいて非常に重要な役割を担っています。日中連携プログラムメンバーの優秀な研究者及び大学院学生の皆さん、そして勤勉な事務スタッフの方々を誇りに思い、また感謝しています。

ここにいる皆さん1人1人が、我々の継続的な発展・向上の鍵を握っています。我々の共通の目標である「世界の頂点」を目指し、これからも共に努力を重ねていきましょう。我々の連携がますます拡大充実し、日中間の関係がより友好的なものになることを、心より望んでおります。
最後に、本プロジェクトに関わる日中両国主要メンバーのたゆまぬご努力とご貢献に、改めて心からの感謝と敬意を表します。

谢谢!(Thank you)